相続した空き家をシェアハウスや民泊として活用することに、どんな印象を抱きますか。あるアンケート調査では、回答者の81.2%が空き家をシェアハウスや民泊にすることに「抵抗がある」と回答しています。
株式会社AlbaLinkが運営する「訳あり物件買取ナビ」が、全国の男女500人を対象として、2025年9月30日に調査しました。
■8割以上が空き家の転用に抵抗感
「空き家をシェアハウスや民泊にすることに抵抗があるか」との質問にて、「やや抵抗がある」が41.0%、「とても抵抗がある」が40.2%でした。「あまり抵抗はない」が14.4%、「全く抵抗はない」が4.4%でした。シェアハウスや民泊については、違法施設や管理の行き届いていない施設がメディアで取り上げられることもあり、ネガティブなイメージが先行している可能性があります。
■抵抗がある理由は「騒音トラブル」がトップ
抵抗がある理由の1位は「騒音トラブルが起こる」(40.9%)でした。「治安が悪化する」(36.7%)、「近隣のマナーが悪化する」(21.9%)と続きました。回答者からは以下のコメントが寄せられています。
▽「騒音トラブルが起こる」回答者のコメント
・民泊などは旅行者が利用するものなので、夜まで騒ぐと近所迷惑になりそう。周りが静かで、お年寄りが多く住んでいるところなので、迷惑がかかりそう(10代女性)
・シェアハウスを利用する人は若年層が多いイメージで、若年層は騒音問題を起こしかねないから(30代男性)
若年層や観光客が夜遅くまで騒ぐイメージが強く、特に静かな生活環境を望む人にとっては大きなストレス要因となっています。
▽「治安が悪化する」回答者のコメント
・見知らぬ人の出入りが頻繁にあると、犯罪リスクが上がる(30代女性)
・安全上の理由です。宿泊者の身元について、貸主の保証や責任がない。海外の民泊だと犯罪拠点になっているところもあるので、治安悪化が心配です(40代女性)
知らない人が頻繁に出入りすることで、「ご近所さんがみんな顔見知り」という安心感が失われることへの不安が表れています。
▽「近隣のマナーが悪化する」回答者のコメント
・もちろんマナーを守って民泊・シェアハウスを利用する人もいると思いますが、マナーを守らず近隣住民の迷惑となる行動をとる人もいるかもしれないから(20代女性)
・シェアハウスならまだいいですが、民泊は困ります。ニュースでマナーの悪い外国人のことを見ているので不安です(30代女性)
特に日本に不慣れな外国人観光客のマナー違反がニュースで取り上げられることもあり、地域全体の秩序が乱れることへの懸念が見られます。
その他にも「ゴミのトラブルが起こる」(17.7%)、「不特定多数が出入りする(15.8%)といった不安の声も寄せられました。
■抵抗がない理由は「空き家のままよりいい」
「抵抗がない」と答えた94人に理由を聞いたところ、最も多かったのは「空き家のままより安心」で33.0%でした。
・空き家のままのほうが、犯罪が起きそう(10代女性)
・騒がれたら嫌だが、基本的には空き家のままだと家が倒壊する可能性も出てくるため、人の出入りがあるのはいいと思う(20代男性)
・管理された状態になって、安心のほうが大きいと思うから(40代 女性)
管理されずに放置された空き家の方が、防犯上や建物の老朽化の面でリスクが高いという認識が示されています。
続いて多かったのが「地域に活気が出る」で22.3%、さらに「空き家を有効利用できる」が21.3%と続きました。人口減少が進むエリアでは、シェアハウスや民泊が人を呼び込む手立てとして期待されていることもわかりました。
・民泊やシェアハウスができることで、街の復興につながればいい(20代 女性)
・いろんな人、とくに外国人が来ると面白そうだし観光にも役立ちそうだから。地域も盛り上がると思います(40代 女性)
・住民が減少していっている現在、人が増えるのはいいことだと考えている(60代以上 男性)
■安心のための条件は「防犯対策」
空き家をシェアハウスや民泊にする場合に安心できる条件については、最も多かったのは、「防犯対策を行う」(36.6%)。「利用ルールを周知徹底する」(28.6%)、「行政がチェックする」(23.0%)と続きました。「利用者を審査する」(18.8%)、「騒音対策を実施する」(16.4%)、「きちんとした管理体制がある」(15.6%)の指摘もありました。
▽「防犯対策を行う」回答者のコメント
・防犯カメラをつけるなど、防犯対策をきちんとしてほしい(30代女性)
・警察の巡回や、近くの家に防犯用ライトを設置するなどの防犯対策(50代 男性)
オートロックや防犯カメラの設置、警察の巡回など、具体的な防犯対策が求められています。
▽「利用ルールを周知徹底する」回答者のコメント
・近隣の住人の迷惑にならないようなルール決めをする(30代女性)
・「◯◯時以降は、静かに!」など、マナーをきちんと守る工夫があること。もし守られなかった場合は、民泊を停止すること(60代以上 女性)
▽「行政がチェックする」回答者のコメント
・行政のチェックがしっかり入っており、法に反していないことが絶対条件だと思います(30代女性)
・週1回必ず行政のチェックがあれば、安心できます(40代 男性)
明確なルール作りと第三者による監視体制が、近隣住民の安心感につながることが示されています。
▽「利用者を審査する」回答者のコメント
・どんな人が来るかわからないので、宿泊者の身元確認(40代 女性)
・利用者の国籍や利用目的などを把握できるシステムがあるといいなと思います(50代 女性)
▽「騒音対策を実施する」回答者のコメント
・壁を分厚くすることにより、音が漏れないようにすること(20代 男性)
・騒音やゴミの対応は、必ず貸主が行うことでしょうか。基本知らぬ存ぜぬの人が多いので困るんですよね(50代 女性)
▽「きちんとした管理体制がある」回答者のコメント
・管理者が必ず、毎日巡回にくること(50代 女性)
・常駐の管理人を置くところまでしないと、安心できない(60代以上 男性)
◇ ◇
今回の調査では、空き家をシェアハウスや民泊にすることに抵抗を感じる人が多数派であることが明らかになりました。適切な防犯対策や騒音対策、利用ルールの徹底が行われれば、受け入れられる余地もあることもわかっています。空き家活用を進める際には、近隣住民の不安に寄り添い、トラブルを予防する工夫が不可欠といえるでしょう。
【出典】
株式会社AlbaLink
























