前方後円墳を見つけられるツールが話題に
前方後円墳を見つけられるツールが話題に

3世紀後期から7世紀初頭頃にかけて全国で約5000基が築造されたという前方後円墳。

今SNS上ではそんな前方後円墳の痕跡を探すことのできる地図サイトが大きな注目を集めている。

「歴史授業で使える“神ツール”発見。
標準地図では見にくい古墳も、赤色立体地図なら- 
くっきり!はっきり!前方後円墳の形が浮かび上がる。
これはコーフン。
範囲を指定して古墳を探せ!あなたはいくつ見つけられる?
操作方法:地形→1mメッシュ→MPI赤色立体」

とその模様を紹介したのは公立中学校で教鞭をとるハトムギ先生さん(@hatomugisensei)。

土地利用の変遷や郷土史、防災に関する調査・研究など、様々な目的で活用できる各種地形図・地図情報を提供している全国Q地図。防災、教育、各種調査・研究などなど、様々な用途で活用できる各種地形図・地理空間情報を、もっと気軽に閲覧できるようにすることを目的に、個人が運営しているウェブサイトだ。ハトムギ先生さんはその機能をフル活用して住宅地や田畑山林に埋もれた前方後円墳を判別しているのだそう。

ハトムギ先生さんにお話を聞いた。

ーー全国Q地図を知った経緯は?

ハトムギ先生:日頃から、授業で使える地図ツールや教材を探しています。歴史で使えるものを探していた際、知り合いの大学教授の方との会話の中で全国Q地図を教えていただきました。実際に見てみると、古墳が立体的に浮かび上がるように表示され、そのわかりやすさに衝撃を受けました。特に前方後円墳など、通常の地図では判別しにくい地形が一目でわかる点に強く惹かれました。

ーー全国Q地図の魅力は?

ハトムギ先生:最大の魅力は、「学習を“体験”に変えてくれること」だと思っています。たとえば古墳を例に挙げると、古代の出来事は生徒にとって遠い昔の話です。しかし全国Q地図で“身近な古墳を探す”という活動に変わると、学習が一気に「自分ごと」になり、地域を調べる体験へとつながります。また、何気なく通り過ぎていた場所が実は歴史と深くつながっていることに気づき、過去へのロマンを感じられます。

授業で活用すると、生徒たちは「こんなに見えるんだ!」と驚き、学ぶ姿勢が一気に変わります。教師にとっても、教材研究の幅と質を大きく広げてくれる心強いツールです。

ーー投稿に大きな反響がありました。

ハトムギ先生:自分でも驚くほど大きな反響をいただきました。多くの方が地図を使ってコーフンしながら古墳を探していることを拝見し、地図教材の面白さが多くの方に届いたことをうれしく思っています。

◇ ◇

SNSユーザー達から

「もしかして、、意外と住んでるあたりにも… そういえば、何年か前実家の近くで、畑していたら土器のようなものが出て来て、その畑実は古墳でした~ ってことがありましたが、あそこを見てみると~ 笑 膨らみます!!」
「赤色立体地図、面白い。 写真やGoogleマップでは見えない林や建物の下の素の地形が見える。」
「静岡の小学校教員です。富士山の周りを見てもコーフンしますよ。 昔の噴火口が、まるでニキビのように見えます。」

など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。読者のみなさんのお住まいの周辺にも前方後円墳が見つかるかもしれない。

なお今回の話題を提供してくれたハトムギ先生さんは「子供が社会を好きになる」をテーマに実践した授業例をnote「ハトムギ先生@社会科と ICT」で紹介している。ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)