金額の大小よりも、胸を張って受け取れるかどうかの方が大切なこともあります。漫画家のつのだふむさんの作品『【どっち】きたねえ2000円ときれいな100円。』では、友人から受け取ったお金をめぐって揺れ動く主人公の姿と、母から手渡された100円で気づいたことが描かれています。同作がX(旧Twitter)に投稿されると、2300いいねが集まりました。
主人公はある日、友人から2000円で宿題を代わりにやってほしいとお願いされ、それを喜んで承諾しました。しかしその後、友人が親の財布からお金を抜いているのを目撃してしまいます。
自分の受け取ったお金も友人がこっそり盗んだものだと思うと、主人公はこのお金をこのまま持っていてはいけない気がしました。しかし、返せば無償で友人の宿題をしたことになってしまいます。お金を返す踏ん切りがつかなかった主人公は、いったん引き出しの奥にしまいました。
そんなとき、母が部屋にやってきて、誕生日に主人公からもらった10分間の肩たたき券を使いたいと言います。主人公は面倒だと思いつつ、母の肩をたたきました。5分延長してたたき終えると、母はお礼とともに延長料金として主人公に100円を手渡しました。
友人が親の財布から盗んだかもしれない2000円と、肩たたきのお礼に母からもらった100円を比べ、主人公は100円に後ろ暗いところのないきれいさを感じるのでした。
読者からは「道徳の教科書に載せたい」「汚いのは友達だけでは?」など、さまざまな声があがっています。そこで同作について、作者のつのだふむさんに話を聞きました。
■ずっと心に引っかかっていた記憶をもとに描いた作品
--同作を描いたきっかけを教えてください。
「お金」がテーマの漫画の企画があり、この作品を描きました。
自分が子どものころ、ずっと心に引っかかっていた記憶を引っ張り出しました。自分では、親の金を財布から抜くなんて発想がまったくなかったので衝撃でした。彼のお母さんは、すごく優しくていいお母さんだったし。あいつ、どんな大人になったかな。
--主人公は引き出しにしまった2000円を、この後どうすると想像されていますか?
ずっと置いておくんじゃないかなと思います。使わなければ、とりあえず罪悪感も保留された感じになるので。
--最後の100円の場面に込めた思いを教えてください。
主人公が親から毎月お小遣いとしてもらっている500円には、特に何かをしたからもらったという感覚はありません。けれどもこの100円は、しっかり働いて稼いだお金だからこそ、違ったうれしさがあります。
小学生の主人公にとって、働いて稼ぐというのは初めての体験です。宿題をして受け取った2000円もそうだといえばそうですが、それは友達が盗んだお金で、それを知ってしまっている、というところが問題ですね。
この漫画を読んで、どんなふうに思ってもらってもいいですが、答えの出ない、考え続けられることを提示できるといいなと思って創作をしているので、いろんな感想を持ってもらえるとうれしいです。
(海川 まこと/漫画収集家)























