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 JR西日本は一日始発から、阪神大震災で不通だったJR東海道線灘・住吉間で運転を再開した。震災から七十四日ぶりに東海道線全線が開通、閉鎖されていた六甲道駅も再オープンした。これに伴い、代替バスや福知山線などを使ったう回列車は三十一日限りで中止した。

 灘・住吉間の六甲道駅周辺は復旧工事完了後、同社や運輸省による走行試験で復旧した高架橋の安全性を確認。その結果、同省は三十一日、運転再開に支障がないと判断した。

 上り下り計四線の「複々線」で開通。一日と翌二日はほぼ正常ダイヤで運転し、三日からは全線未開通の私鉄からの利用者で混雑が予想されるため、姫路・大阪間で朝ラッシュ時に上り新快速を八分間隔で走らせ、夕方にも下り新快速を三本増発する。

 また夜間寝台特急なども運転を再開し、発売済みのう回列車の乗車券は再開後の列車にも乗車できる。JR貨物の貨物列車も再開する。

■乗り換えなしに「やれやれ」 上り乗車率は230%
 神戸と大阪方面を結ぶ通勤・通学の大動脈が、七十四日ぶりに結ばれた。一日朝、阪神大震災で不通になっていたJR東海道線の灘・住吉間の運転が再開。乗り換えや代替バスなしで行き来できるようになり、苦労を強いられてきた利用客からは「気分的に楽になる」の声が出る。待望の直結に、昼前には新快速電車の乗車率が二〇〇%を超えるなど、大混雑を見せた。

 高架駅舎や周辺の高架が崩壊、開通に向けた最大の難所だった六甲道駅は、突貫工事で建て直し、この日を迎えた。午前五時十五分、JR社員や工事関係者約四十人が拍手するなか、神戸発京都行き普通電車が滑り込んだ。

 中尾智俊駅長(49)は「一番電車のライトを見た時は、子供のように心が躍った」。また、梅原利之・JR西日本常務鉄道本部長は「結果として他社にさきがけて開通できた。復興の先兵として頑張りたい」と話した。

 朝の出勤時、同駅は券売機前やプラットホームなどはやや混雑。大手紳士服販売会社に就職した二十歳の女性は「十時から大阪本社で入社式。研修期間は代替バスを乗り継いで毎日クタクタでした。開通が間に合って良かった」とうれしそう。

 「久しぶりに梅田へ買い物に」と話す婦人連れは、「地震がきてもこれで本当に大丈夫なんでしょうか」と灘・住吉駅間の徐行運転にちょっぴり不安な様子。車窓の倒壊家屋に目をこらす乗客が目立った。

 一方、JR三ノ宮駅では、大阪まで一時間以上かかっていたのが、この日から新快速で約二十分に縮まるとあって阪神や阪急からの乗り換え組も見られ、駅は久々に活気を取り戻した。

 利用客は「通勤時間が半分になった」「代替バスの渋滞でイライラせずにすむ」との声がでるなど、一様にやれやれの表情。神戸から大阪へ通勤する会社員、多田利雄さん(62)は「今までいろいろなルートを試したが、どれも通常の二倍の時間がかかっていた。ほっとしている」と喜んでいた。

 この日は、春休み中の土曜日とあって、ラッシュ時間帯に目立った混雑はなかったが、昼にかけて買い物客らで込み始めた。三ノ宮駅では午前十時現在で通常の一・五倍の利用者。大阪に向かう上り新快速も乗車率が最高二三〇%となった。

1995/4/1
 

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