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復興へ 第18部 この国 震災3年の決算

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多様さ 対応に悩みも
 登録制度は半数実施 保険料負担の市も増加

 災害での自治体とボランティアとの連携、受け入れの整備状況などについて、神戸新聞社は、兵庫県と県内二十一市にアンケート調査した。県と二十市が地域防災計画にボランティアを位置づけるなど、その役割に期待しているものの、被災地では連携の困難さも認識している。活動支援の情報センター設置、ボランティア登録制度は、約半数の自治体で行われ、災害補償の保険料負担などに踏み切る市も増えている。しかし、ボランティアの多様さから受け皿づくりに悩む自治体は多い。

 受け入れ整備状況では、拠点整備、登録制度のほか▽コーディネーター、リーダーの養成▽受け入れマニュアルづくり▽活動費助成▽保険料の自治体負担-などが進む。

 兵庫県は二〇〇〇年度末に、神戸市の東部新都心にボランティア活動支援センターをオープンする予定で日常の活動支援を行う。神戸市は、大規模災害発生後に災害ボランティア情報センター、現地支援センターを設置。姫路市なども災害ボランティアセンターを立ち上げる。

 兵庫県西宮市は、災害対策本部にボランティア部を設け、受け入れ態勢と情報提供、ボランティア間の調整などを図る。洲本市は市の災害支援総合情報ネットワークシステムに情報ボランティアを位置づけ、パソコン通信やインターネットによる支援情報伝達を行うとしている。

 ボランティアに託する分野として、三田市では、医療・助産▽障害者・老人福祉▽建築▽語学▽情報通信などの専門技能を有する技能ボランティアを一般ボランティアと区分している。

 ボランティア保険料の全額、一部負担など事故補償への取り組みは七市が実施、西宮市は全額負担、伊丹市は災害共済の年間五百円のうち三百円を負担している。県は日本海の重油流出事故で保険料を負担した。

 兵庫県西宮市の場合、保険料は三カ月で八千六百十円、内容は死亡・後遺障害五百万円、入院一日五千円となっている。

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 ボランティア活用や育成、他地域からの受け入れには課題や問題点も多い。

 「ボランティアと一口にいっても多様。地域、人数、活動内容が違うため、助成などの対応が難しい。盛衰が激しく、場合によっては『気まぐれ』な団体もある」(兵庫県)「個人よりはリーダーを持つ団体の方が望ましいが、行政から指示はできない」(神戸市)などと担当者は漏らす。

 重油災害で全国からボランティアが集まった但馬地域では、地元住民が宿の世話や資材調達に走り回るなど受け入れ態勢に追われた。被災地外では災害ボランティアへの理解が進まず、自治体が行う訓練や日ごろの活動も低調で、他地域からのボランティア参加を本格的に想定した態勢づくりが遅れている。

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 自治体のボランティア休暇は兵庫県と、十七市が導入済み。加古川、西脇、加西市は「検討中」、三木市は「予定なし」と答えた。日本海の重油流出事故で最も多く活用されたほか、神戸、尼崎、西宮市などでは「障害者支援」「福祉施設援助」で活用されていた。しかし、活動実績のない市も多い。

メモ

自治体の防災担当者が感じた課題、問題点

【兵庫県】
 地域によって活動内容が違い対応が難しい。行政とボランティアのパートナーシップも簡単にはいかない。
【神戸市】
 リーダーの育成、ボランティア間の公平性、地域団体とボランティアの共存、ボランティアの引き際のタイミング。
【尼崎市】
 短期活動が限られる。ボランティアの希望とニーズのミスマッチもある。
【西宮市】
 ボランティアの受け付け、調整などコーディネート部分が難しい。
【芦屋市】
 短期間のみで仕事を覚えてもらった時期に帰ってしまう。指導に手間がかかる。
【伊丹市】
 支社協職員1人がコーディネート役。人員が必要。
【宝塚市】
 市民のボランティアへの認知度が低く、関心を高めるのが課題。
【川西市】
 福祉分野にボランティア対象が偏りすぎている。
【三田市】
 平常時のボランティア組織を災害にどう生かすか。外部ボランティアと登録ボランティアの連携。
【明石市】
 市民ボランティア活動への認識格差が問題。
【加古川市】
 事故の補償、保険料の自治体負担が問題。
【西脇市】
 必要性は感じているが、位置づけはこれから。
【三木市】
 建物判定などの専門ボランティアの確保が困難。
【高砂市】
 災害時ボランティアのイメージがわかず、募集、育成に踏み切れない。
【小野市】
 平常時の訓練参加の意欲も低く、震災時からギャップがある。
【加西市】
 9割が主婦で50・60代、若い勤労者の活動が低調。
【姫路市】
 活動ノウハウがない。市外ボランティアの事故やけがでの補償制度が確立されていない。
【相生市】
 具体的なボランティア活用はこれから。
【竜野市】
 ボランティアの活動内容と災害時の需要の調整が困難。
【赤穂市】
 福祉ボランティアが中心で防災面での意識付けが容易でない。
【豊岡市】
 ボランティアのために地元住民が宿の世話や資材調達に走り回らねばならず、受け入れ態勢が大変。
【洲本市】
 町内会長に貸与したパソコンが扱い不慣れで研修が課題。

1998/1/22

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