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復興へ 第18部 この国 震災3年の決算

(3-4)被災者支援 日米の相違大きく
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「住宅確保」施策に差 制度、文化超え検討必要
-日本 「公的」軸に家賃の低減化
-米国 「自力」前提にメニュー化

 阪神大震災後、被災地対策の日米比較が折に触れ行われた。大震災からちょうど一年前、ロサンゼルスとその周辺をノースリッジ地震が襲ったことが、そうした機運を高めた。制度や文化の違いはあるが、日本が米国から学び、対策の存り方として検討すべき点は少なくない。

 被災者支援での日米の大きな相違点は、日本が仮設、復興公営住宅建設など被災者の公的な住宅確保を基本にしているのに対し、米国は被災者による自力での住宅確保を基本に据え、その前提に立った支援メニューを持っていることだ。

 被災直後の応急対策として、米国では(1)一時的居住への支援(2)家屋修理支援-がある。

 (1)は家屋が被害を受けて居住できなくなり、一時的に他の住宅に入居した場合、持ち家は三カ月分、賃貸は二カ月分の家賃相当額が支給される。最長十八カ月まで延長可能だが、延長の正当な理由を証明できる書類が必要だ。
 (2)は持ち家に限った支援で、ノースリッジ地震の場合は修理費が一万ドル以下であれば全額支給された。

 恒久住宅対策では、日本では復興公営住宅の建設と同時に、家賃を最低六千円台まで引き下げた。

 一方、米国では低利融資が原則だが、融資が受けられない低所得者層に「個人・家庭支援事業」を実施。ノースリッジ地震では、医療や葬儀、家屋補修など、生活に不可欠な支出に対して平均千ドル、最高約一万三千ドルが支給された。

 家賃や修繕で不正が起きないよう、支援を実施した後に大勢の調査官が被害状況や申請内容を厳格に審査、その結果に基づいて助成金の返還や刑事責任を問うなどの措置も講じている。

 こうした具体的な支援策を、あらかじめメニュー化しているのも米国の特徴だ。米国には、国の機関として連邦危機管理庁(FEMA)があり、地元自治体と共同で、専門的な立場から横断的な被災地対策に当たるシステムも確立されている。

 日本では、避難所から仮設住宅までの応急対策を除き、体系化された支援策がなく、災害が起こるたびに検討しているというのが現状だ。

 「日米地震シンポジウム」が行われるなど、日米間の情報交換が進みつつある。被災者の住宅を公的に提供するのが原則の日本の在り方について、国土庁は「わが国の状況に即したもので、その内容・程度においても米国の場合と比較してそん色ないと考える」との見解を示している。

1998/1/15

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