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復興へ 第18部 この国 震災3年の決算

(3-3)復興基金 課題は広域災害
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350億の運用益活用し100事業
 阪神・淡路大震災復興基金は、十年間という期間を設定し、基本財産二百億円、運用財産五千八百億円の規模で一九九五年四月に設立された。九七年三月には生活再建支援金の創設などに伴い、五年間の期限で三千億円が上積みされた。現在、果実の運用益は年間約三百五十億円に上り、被災者の住宅や生活支援策、産業などの分野に約百の事業が展開されている。

 設立者は兵庫県と神戸市。基金を運営する財団法人に、県と神戸市が二対一の割合で基本財産を出し、運用財産も同様の割合で無利子で貸し付けている。

 こうした仕組みから、基金の建前は「被災自治体の自主的な取り組み」。しかし実態は、国の関与がなければ成り立たない。県も市も、資金を金融機関から借り入れ、利子の大部分を国が交付税で支援しているからだ。

 前例としては、基金に義援金の一部も投入するという違いがあるものの、雲仙・普賢岳噴火災害での「雲仙岳災害対策基金」がある。

 基金は、行政が税金で踏み込みにくい内容にも弾力的に対応できるという利点が指摘される。しかし、阪神大震災のような広域的な災害で、府県の枠を超えた取り組みをどう考えていくのかは、阪神大震災が提起した一つの課題だ。

 別表のように、兵庫県内でも被害の程度は自治体で大きなばらつきがある。復興基金を持つ兵庫県内では、一様に数多くの支援が行われた。大阪府豊中市より被害が小さい自治体でもそうだった。

 その実態を、豊中市は「被災者の側からすれば納得されないだろう」と受け止める。同市は独自の財源で、復興基金と同様の対応も進めたが、それでも基金の有無による支援策の格差が生じた。

メモ

兵庫県内10市と大阪・豊中市の家屋被害

       全 壊         半 壊
神戸市 10万9212(20.0%)12万1632(23.0%)
尼崎市  1万1034( 6.0%) 5万1540(27.0%)
明石市    4239( 4.0%) 1万0957(11.0%)
西宮市  3万4042(23.0%) 2万7072(18.0%)
洲本市      17( 0.1%)    663( 4.0%)
芦屋市    7722(27.0%)   9927(34.0%)
伊丹市    2434( 4.0%) 1万4361(22.0%)
宝塚市    5535( 8.0%) 1万4802(21.0%)
三木市      25( 0.1%)    113( 0.5%)
川西市     652( 1.0%)   3019( 6.0%)
豊中市    3036( 2.0%) 1万2760( 8.0%)
(いずれも災害救助法対象地域で、数字は世帯数。カッコ内は各市の全世帯数=1995年国勢調査=に対する割合)

1998/1/15

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