1954年に芦屋で結成された前衛美術集団「具体美術協会」(具体)の最年少メンバーとして名をはせ、活動60年目を迎えた作家の個展「今井祝雄(のりお) 長い未来をひきつれて」が芦屋市立美術博物館(同市伊勢町)で開かれている。現在の新作から順に時代をさかのぼり、創作の変遷をたどる。(津田和納)
今井は1946年、大阪市生まれ。64年、高校在学中の17歳の時に第14回具体美術展に初出品し、同協会のリーダー吉原治良にスカウトされ、翌年に入会した。具体の新時代を担う作家として新風を吹き込み、72年の具体解散後も写真や映像、音といったメディアを用い、日本のインスタレーション(空間芸術)の分野をリードしてきた。