会見する神戸市の久元喜造市長(右)と大韓航空の李碩雨・常務日本地域本部長=24日午後、神戸市役所(撮影・風斗雅博)
会見する神戸市の久元喜造市長(右)と大韓航空の李碩雨・常務日本地域本部長=24日午後、神戸市役所(撮影・風斗雅博)

 神戸市と韓国の航空大手・大韓航空は24日、同社が2025年春に神戸空港とソウル(仁川(インチョン)国際空港)を結ぶ国際チャーター便を就航すると発表した。毎日運航し、午前と午後の1日2往復を目指す。来春の解禁が決まっていた神戸空港の国際チャーター便で、就航計画の表明は初めて。

 神戸空港の既存ターミナルの西側で市が建設中のサブターミナルを使う。機材はエアバスの小型機「A321neo」(182席)を想定。同機はエコノミークラスに加え、ビジネスクラスを8席備える。所要時間は約2時間の見通し。

 座席は旅行会社にチャーター用として販売するほか、定期便と同様、個人でも購入できるようにする。大韓航空はアジア有数のハブ(拠点)空港である仁川を経由し世界33カ国100都市に就航しており、神戸から乗り継ぎも可能となる。

 同社の李碩雨(イ・ソグ)常務日本地域本部長は神戸市須磨区で暮らした経験があり「神戸空港のポテンシャル(潜在能力)は高い。85%以上の搭乗率を見込む」と強調。神戸ビーフのほか、韓国人に人気の日本酒の蔵元やゴルフ場、有馬温泉などがあり、在日コリアンも多い神戸は需要が見込めると判断したといい、「(将来的には)定期便として(便数を)増やしたい」とした。

 久元喜造神戸市長は「観光とともに、神戸医療産業都市と韓国企業の連携や大学同士の交流がビジネスにつながると期待したい。関西と韓国の交流のパイプが太くなる」と歓迎した。

 神戸空港は22年の「関西3空港懇談会」で国際化が合意され、30年前後の国際定期便就航も決まっている。また国際チャーター便が就航する25年春には、国内線の発着枠も1日80回から120回に拡大する。

 国際チャーター便は定期便とは別に、複数の国の間で運航される不定期便。旅行会社が航空会社と契約しツアー商品として売るほか、航空会社が個人にも航空券を販売できる。神戸空港でも過去、個人や団体が航空機を貸し切る「オウンユース」の国際チャーター便が発着した例はある。(大島光貴)