重油が流れ着いた海岸で除去作業に励むボランティアら(NVNAD提供)
重油が流れ着いた海岸で除去作業に励むボランティアら(NVNAD提供)

駆けつけた支援者の受け入れ窓口に協力

 どす黒い重油が、見渡す限りの海や岩肌を覆っていた。肌を刺す真冬の風が吹きすさぶ中、ボランティアたちは雨具と長靴という軽装で、ひしゃくを使って油を取り除いた。

 1997年1月2日未明、島根県沖で強い波を受けて破損したロシアのタンカーが沈没した。漏れ出た約6200キロリットルの重油は強風に流され、兵庫・但馬の海岸から東北地方まで漂着。漁業や観光、自然環境に大打撃を与えた「ナホトカ号重油流出事故」だ。福井県三国町(現坂井市)には約2800キロリットルを残した船首部が流れ着き、特に被害が甚大だった。