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三角屋根のアーケードが印象的な西二階町商店街。老舗が多く立ち並び歴史的な雰囲気を残す=姫路市内(撮影・大山伸一郎)
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三角屋根のアーケードが印象的な西二階町商店街。老舗が多く立ち並び歴史的な雰囲気を残す=姫路市内(撮影・大山伸一郎)
夏恒例の「ゆかたまつり」でにぎわう商店街。当時は婚礼関係の店舗も多く残っていた=1996年6月撮影(西二階町商店街振興組合提供)
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夏恒例の「ゆかたまつり」でにぎわう商店街。当時は婚礼関係の店舗も多く残っていた=1996年6月撮影(西二階町商店街振興組合提供)

 JR姫路駅から北へ、大手前通り沿いに10分ほど歩くと、左手に高いアーケードが見える。東西約300メートルの西二階町商店街(兵庫県姫路市西二階町)だ。江戸時代には西国街道としてにぎわい、近代以降も老舗が並ぶメインストリートとして栄えてきた。そんな歴史ある商店街が30年以上前、一見似つかわしくない「ブライダルストリート」の別名で顧客を集めたことをご存じだろうか。

    ◇    ◆

 江戸期の二階町には大名や旗本も宿泊する脇本陣などが軒を連ね、近代以降も格式の高い店が集まる中心街だった。1945年7月の姫路空襲で周辺は焼け野原になったが、多くの店は復興を果たし、にぎわいを取り戻した。

 しかし、思わぬ理由で客足が遠のく。55年の大手前通り完成だ。二階町は幅50メートルもある道路によって東西に分断され、姫路城と姫路駅を行き交う人の流れが東側に偏った。

 取り残された西二階町の店主らは危機感を募らせる。市民にアンケートすると、商店街の存在すら知らない人が目立ったという。西二階町商店街振興組合の垣内睦彦理事長(58)は「まずはじめに、どうすれば商店街を知ってもらえるかが問題だった」と話す。

 商店街の特徴を分かりやすい言葉で表現し、幅広い層に認知してもらおうと計画。結納店や貸衣装店など婚礼にまつわる店が20以上も並んでいたことから「ブライダルストリート」として打ち出した。87年のアーケード改装記念式典では、募集したカップルの結婚式を商店街で開催。一風変わった式を一目見ようと詰め掛けた人たちに、老舗の婚礼用品をPRした。

 仕掛けは奏功する。100年以上の歴史がある「きたの結納店」店主の北野升雄さん(58)は「結婚に必要なものは何でもそろうと評判で、播磨各地から多くの人が集まった」と振り返る。呉服店だけで10店近くあった商店街は、豊富な品ぞろえが目当ての顧客で混み合い、身動きが取れなくなることも。北野さんは「最盛期には、注文に間に合わせるために日付が変わる頃まで作業した」と話す。

 しかし、結婚式が簡略化されたり着物の需要が減ったりする中で、婚礼関係の店も減少を続け、今では3分の1ほどになった。

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 再活性化に向け、店主らが新たに計画したのが「コミュニティースペース」だ。地域住民が集え、商店街の目玉になる施設に-。2009年に完成した建物は、明治時代に実在した演劇館「七福座」から命名した。おめでたい名前は街の歴史にふさわしい。

 開館以来、恒例の寄席に加え、若手お笑い芸人による無料ライブ「ひめクリ」も人気を博している。今では西二階町商店街の代名詞的存在になり、若者から高齢者まで幅広い世代を集めている。

 本格派の飲食店も相次いで出店し、新たな客層を呼び込んでいる。「七福座にちなんだ料理を開発したり、寄席の観客向けにお得なクーポンを発行したりしたい」と垣内さん。活性化のアイデアは尽きない。

 「ブライダル関係をはじめ古い店が今も多く残る。歴史を前面に押し出し、ここにしかない魅力を高めていく」。伝統の灯を絶やすまいと、店主らの奮闘は続く。(森下陽介)

■西二階町商店街

姫路市西二階町にある商店街で、衣料品店や飲食店、美容室など約90店からなる。地名の「二階」は、平屋が原則だった城下町で、例外的に2階建てが認められたことが由来とされる。1987年に改装されたアーケードは、日本伝統の切り妻屋根がモチーフ。街路などに描かれたシンボルマークは、姫路城の「狭間(さま)」をイメージしている。天井近くには歴代城主の家紋もあしらわれている。

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