歌集「益城」への思いを語る楠田立身さん=姫路市豊沢町
歌集「益城」への思いを語る楠田立身さん=姫路市豊沢町

 「自粛にも利点はありて厄介なる会は〈欠席・全権委任〉」-。歌人・楠田立身さん(86)=姫路市城東町清水=が、第6歌集「益城(ましき)」を出版した。新型コロナウイルス禍などの世相や病との闘い、師への敬慕、音楽に癒やされる日々、故郷への思いなどをつづった近作460首を収録する。(藤本賢市)

「雑でも未完成でも構わない」

 楠田さんは父が仕事で赴任していた朝鮮半島で終戦を迎え、熊本県へ。中学生時代から新聞や雑誌に短歌を投稿し、現代短歌を代表する歌人・斎藤史さん(故人)に師事した。「短歌ぐるうぷ象(しょう)の会」代表として播磨歌壇をリードし、県を代表する歌人の一人として知られる。