■ウオータービジネス、先見の明
布引の山の麓で取れる水を使い、炭酸水などの清涼飲料水を取り扱っている布引礦泉(こうせん)所(兵庫県西宮市)。同社の歴史の古さは過去の商標などからよく分かるが、石井恭子社長によると、今の川崎重工業と深いつながりがあるという。
「初代社長は私の曽祖父に当たる石井清という人物なのですが、彼は川崎造船所(川崎重工業の前身)の重役だったんです」
ふと、何かがつながった気がした。川崎造船所の創業者、川崎正蔵は布引一帯で多くの土地を買い、豪邸を建てたことで知られる。炭酸水ともどうやら関係があるようだ。
「はっきりとは知らないんですが、川崎造船所にはウオータービジネス事業部というのがあったようでして…」
石井社長は続けた。その事業部は布引で取れた水を取り扱い、恐らくは貿易のためにやって来た外国船を相手に、商売を手がけていた可能性が高いという。つまり、川崎正蔵は社内に水を扱う部署を設け、それを重役の石井清に引き継がせたと思われる。
「のれん分けというのでしょうか。川崎さんはいろんな事業を手がけていたでしょ。そのうちの一つを私の曽祖父に任せたのかなと思います」
川崎造船所がいつから水を商品として扱い始めたのか、明確なことは分からない。ただ、布引礦泉所の創業が川崎正蔵、初代社長が石井清ということは間違いなさそうだ。
ウオータービジネスという現代的な事業展開。実業家・川崎正蔵の先見の明に改めて驚かされる。そういえば、神戸新聞社の創業者も同氏だ。本紙は1898年の創刊で、布引礦泉所と1年しか違わない。
「神戸新聞さんとは親戚みたいな関係だと思っていますよ」
石井社長が温かい言葉をかけてくれた。(安福直剛)
【バックナンバー】
(7)創業123年「布引礦泉所」 名水販売の歴史重ね
(6)貯水池 希少な「かくれ滝」
(5)水の量少なくない? 壮大な滝は雨次第
(4)擬木の手すり 大正期製造か、登山道ずらり
(3)老舗茶屋 明治期の建築今に
(2)去来軒 消えた屋号の謎
(1)「遊園地」 土産物屋、茶屋にぎわう
【アーカイブ】
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