亡くなった人の財産などを受け継ぐ相続。時には遺産を巡って親族間で「争続」になることもある。神戸新聞はLINE(ライン)を通じてアンケートを実施し、回答を基に実例を取材した。今回は、父の生前から相続で有利になるよう画策する兄に振り回された人を紹介する。(斉藤正志)

■三田市の50代女性、壊れた兄との関係

 兵庫県三田市の50代女性は、父の遺産の相続で、兄との関係が壊れた。

 女性と両親、兄は元々大阪府内に住んでおり、約30年前、父が建てた三田市の家に兄以外は転居。大阪の家は兄夫婦が暮らすため、父が1千万円を出資してリフォームした。

 リフォーム資金は、贈与税がかからないように、兄の子どもへの「教育費」名目で出資したという。

 大阪の家は兄名義に変更。その後も壁の塗り替えが必要と言われ、父は500万円を送った。

 父は、自分が母(父にとっての妻)より先に亡くなることを想定し、三田市の家(土地、建物)の持ち分を夫妻で2分の1ずつにしていた。

 しかし2015年に母が死去。相続が発生した。