亡くなった人の財産などを受け継ぐ相続。時には手続きが終わった後で予想しなかった厄介ごとに直面することもある。神戸新聞はLINE(ライン)を通じてアンケートを実施し、回答を基に実例を取材した。利用価値がなく、売却もできない「負動産」を相続した人の話を紹介する。(斉藤正志)

■山林を相続した神戸市の男性(72)

 神戸市中央区の男性(72)は、2016年に父を亡くした。

 生前に、兵庫県たつの市に土地を持っていると聞いていたため、法務局で確認したところ、山林約1300平方メートルを所有していることが分かった。

 2人きょうだいの姉は相続を放棄。祖父の代から引き継いだ土地のため、男性は自然な流れとして必要書類を提出し、相続した。

 しかし、その後の対応に困った。