古代中国で生まれたボート競技「ドラゴンボート」の大会が10日、相生市の相生湾で開かれる。県ドラゴンボート協会(相生市)などでつくる実行委員会が、競技の魅力を広めようと、14年ぶりに再開を決めた。全国から54チームが出場予定で、実行委は「まちの活性化につなげたい」と意気込んでいる。

 ドラゴンボートは10~20人のこぎ手に加え、太鼓でリズムをとるドラマーとかじ取りが1人ずつ乗る。同じく中国発祥の32人乗りの「ペーロン」が盛んな同市ではドラゴンボートに取り組むチームも多く、2002年には国内初となるアジア選手権が開催された。

 大会は03年以降も「兵庫カップ」として続けられ、国際大会の出場選考レースも兼ねたが、財政面などの課題から09年を最後に休止となった。再開を模索する中、今年2月にアジア選手権の実現に尽力した元相生ペーロン協会常任理事の山岡伸一さんが亡くなり、追悼の意を込めて復活させることを決めた。

 「相生ドラゴンボートフェスティバル」と銘打った新しい大会は、相生ポート公園(同市桜ケ丘町)周辺を会場に午前9時スタート。200メートルの直線コースでタイムを競う。経験者中心の「スペシャル」、初心者中心の「ルーキーズ」、女性だけの「ウイメン」の3部門を設け、東京や大阪、長崎、沖縄など全国8都市のチームが参戦する。レースは県ドラゴンボート協会が所有する12人乗りの小型艇で5チームずつ競い、午後3時過ぎから各部門の上位チームで決勝を行う。

 カレーやホルモン焼きうどんなど約10のキッチンカーも出店予定。会場近くでは、市役所と市民体育館に無料の駐車場を設ける。

 実行委の事務局を務める河田英幸さん(59)は「競技の面白さを感じてもらえるような大会に育てたい」と話している。(地道優樹)