ニンジンやシメジを使った「ロケット実験」に挑む生徒ら=赤穂市東有年、有年中学校
ニンジンやシメジを使った「ロケット実験」に挑む生徒ら=赤穂市東有年、有年中学校

 理科好きの子どもを増やそうと、近畿大工学部(広島県東広島市)の教員らが先生役となって赤穂市内の中学校で開く「夏休み理科おもしろ実験教室」が、開始から10年を超えた。野菜に含まれる酵素の力でロケットを飛ばしたり、DNA(デオキシリボ核酸)をジュースから取り出したり…。今夏の教室をのぞいてみると、身近な物に備わる知られざる性質を目の当たりにし、生徒たちが夢中になっていた。(小谷千穂)

 「大学でするような本格的な実験を、生徒たちに体験させてほしい」

 同学部の卒業生である赤穂の中学校教員が依頼し、2013年に始まった。カエルの受精卵の観察や宇宙研究、放射性物質の測定など、これまでに取り組んだテーマは多岐にわたる。

 今年5月、赤穂市教育委員会と同学部は教育に関する連携協定を結んだ。これまで有年中学校(同市東有年)の生徒に限っていた実験教室の参加対象を今年から、関心を持つ全市の生徒へ広げた。