新春に商売繁盛を願う「十日えびす」を前に、兵庫県宝塚市大原野の縁起物製造卸「エビスシマダ」で、熊手や福箕に取り付けるえびす様や大黒様の面作りが最盛期を迎えている。福を呼ぶ笑顔が作業場にずらりと並ぶ。
同社は年間10万個以上の縁起物を製造し、「えべっさん」の総本社・西宮神社など全国の神社や業者に出荷している。11月以降は特に忙しく、職人ら18人が作業に追われる。
面は滋賀・信楽の粘土を約10時間かけて窯で素焼きし、職人が目や眉、赤い唇などを丁寧に筆で描き込んでいく。5代目の島田康治社長(58)は「参拝者が願いを込めて福を受け、笑顔になる。その様子を思い描くとやりがいがあります」と話していた。(吉田敦史)