西脇組の事務所前でシュプレヒコールをする住民ら=7月、神戸市西区玉津町上池
西脇組の事務所前でシュプレヒコールをする住民ら=7月、神戸市西区玉津町上池

 国内最大の暴力団山口組(神戸市灘区)が分裂してから9年。この間、兵庫県内の勢力(組員数)は、たもとを分けた神戸山口組(稲美町)と絆会(大阪市中央区)を合わせても約210人まで減り、過去最少となった。相次ぐ分裂抗争が住民の危機感をあおり、各地で暴力団追放の動きが活発化。しのぎ(資金獲得活動)などが難しくなり、組織離れが進む傾向もうかがえる。

 「暴力団は出て行け。われわれは闘うぞ」

 7月末、神戸市西区玉津町の上池地区。真夏の日差しの下、住民が拳を突き上げて行進した。神戸山口組の傘下組織・西脇組の事務所前に着くと、さらに声を張り上げた。