丹波篠山、丹波両市にまたがる地層「篠山層群」は「丹波竜」の発見地として知られ、今夏は同層群の化石が新属新種の恐竜だったことが新たに判明するなど、全国から注目を集める。篠山層群は学術的な研究の場以外にも、恐竜研究の裾野を広げる発掘体験を提供するという一面も持つ。世紀の大発見につながる可能性のある発掘体験は人気の一方、ボランティアでそれらを支える専門人材は高齢化が進み、地元や研究機関は人材育成に向けて知恵を絞る。(秋山亮太)
■化石の宝庫
「篠山層群大山下層」と呼ばれる地層のうち、丹波市山南町上滝の篠山川沿いで2006年8月、露出していた地層から竜脚類恐竜の化石が見つかった。
この発見を契機に大規模な発掘調査が複数年にわたって展開され、他の恐竜類の歯や卵殻をはじめ、カエルなどの小型脊椎動物、無脊椎動物などの化石が続々と見つかった。篠山層群が分布する別の場所にも化石の確認は広がり、21年までに6地点で4万点を超える化石資料が採取された。