子ども用の私設図書スペースを設けるため、本の整理をする住民たち=丹波市青垣町佐治、本町の家
子ども用の私設図書スペースを設けるため、本の整理をする住民たち=丹波市青垣町佐治、本町の家

 過疎地域に指定されている丹波市青垣地域。少子化や学校の統廃合で、子どもたちだけでは遊びにくい環境を改善しようと、居場所づくりの動きが進んでいる。子ども食堂や里山の遊び場、移動駄菓子店、私設図書館など、親世代が主体となって民間のサービスに頼らず活動。若い親たちは「田舎だからこそ、自主性を発揮できる余地がある」と、楽しみながら地域課題に向き合っている。(那谷享平)

 丹波市(人口約6万人)の北部に位置する青垣地域はかつての氷上郡青垣町。住民は約5千人と同市を構成する旧6町で最も少ない。人口減少のペースは市平均を上回り、2017年には学校統合で小学校が4校から1校に減少した。

 「小学生はバス通学でお互いの家が遠い。一緒に遊べず、家に帰ってゲームしかすることがない子もいる。都会の子どもより体を使って遊べていない」。同市青垣町文室で外遊びのサークルを主宰する尾形真依子さん(36)は、過疎地の子どもの現状を指摘する。