東日本大震災で、宮城県出身の映像作家、佐藤そのみさん(28)=東京都=は妹みずほさん=当時(12)=を亡くした。石巻市立大川小学校の6年生だった。遺族としてカメラを向けられる日々。古里で映画を撮るという夢は、震災の話を届けたいという思いに変わり、二つの作品を完成させた。神戸・元町で8日、兵庫県内で初めての上映が始まる。(千葉翔大)
2011年3月11日午後、中学生だった佐藤さんは宮城県石巻市の自宅で長く激しい揺れに遭い、曽祖母や祖父母、兄と一緒に近くの高台に避難した。みずほさんは大川小にいた。
震災発生後、すぐに大津波警報が発令されたが、海岸から約4キロ離れた大川小の児童らは50分ほど校庭にとどまったとされる。避難を始めた直後、川をさかのぼった津波に襲われた。
2日後、学校近くでみずほさんの遺体が見つかったと知らされ、安置所で対面した。いつも一緒に寝ていた時と変わらず、起こせば目を覚ましそうだった。
周囲になじめない友だちがいれば、そっと隣で寄り添うような妹だった。将来は通訳になりたいと、英語教室に通っていた。
大川小ではみずほさんを含む児童70人が死亡、4人が行方不明になった。教職員は10人が命を落とした。
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