登庁後に報道陣の取材に対応する斎藤元彦知事=21日午前、兵庫県庁
登庁後に報道陣の取材に対応する斎藤元彦知事=21日午前、兵庫県庁

 斎藤元彦兵庫県知事らへの告発文書問題を調べた第三者調査委員会が、県の対応を公益通報者保護法違反などと指摘する報告書を提出したことを受け、斎藤知事は21日、記者団に「しっかり読んで精査するため、しばらく時間をいただきたい」と述べ、県議会2月定例会が閉会する今月26日以降に県としての見解を明らかにする意向を示した。

 第三者委は報告書で、斎藤知事による職員へのパワハラを認定。告発内容を調べずに作成者捜しをしたことなどは同法に照らして「違法」と結論付けた。

 斎藤知事はこの日、「真摯に受け止め、改めるべきところはしっかり改めることが大事」と話す一方、「県民の期待に応えて県政を前に進めることが、私が果たすべき責任」と、辞職は否定。「法的な見解も含めた精査に時間がかかる。2月定例会閉会後以降に何らか説明したい」とした。

 報告書は告発文書を作成・配布したことを理由に元西播磨県民局長を懲戒処分にしたのは「裁量権を逸脱し、明らかに違法で無効」と県の対応を厳しく批判。斎藤知事は「対応は適切だった」との従来の見解を繰り返したが、処分撤回の可能性も「報告書をしっかり読んでいくことが大事」と明言を避けた。(井上太郎、若林幹夫)