兵庫の4区石松愛朱加(右)からたすきを受け取る5区池野絵莉(撮影・笠原次郎)
兵庫の4区石松愛朱加(右)からたすきを受け取る5区池野絵莉(撮影・笠原次郎)

 これが新たな兵庫の駅伝だ。全国都道府県対抗女子駅伝で2018年以降1区を担ってきた大黒柱の田中が初の2区で主役をさらい、呼応するかのように他区間の選手も先頭で躍動した。入賞は実に30度目。浜本監督は「どんなレースにしたいのか。イメージを持ってたすきをつなげた」と納得の表情だ。

 首位を駆ける心地よさが、選手の脚を突き動かした。5区2キロ手前、池野は世界ユニバーシティー大会5000メートル銅メダリストの山崎(千葉)に追いつかれたが、果敢に並走。残り300メートルでスパートし、3秒差で先頭を守った。「1番でもらったからには1番で渡す」。成長著しい高校1年生が、29年ぶりに区間記録を上回って勢いをつないだ。