自作のマスクを着用する「大衆SHOCK堂」の喜多聰さん(手前)と妻の紗代さん=高砂市米田町米田
自作のマスクを着用する「大衆SHOCK堂」の喜多聰さん(手前)と妻の紗代さん=高砂市米田町米田

 仮面(マスク)や特殊造形を手がける「大衆SHOCK堂」の作品展が、高砂市立図書館(兵庫県米田町米田)2階で開かれている。妖怪や動物をかたどった仮面14点、絵本を読む「魚竜」など造形作品2点のほか、仮面を付けた図書館職員の写真などが並ぶ。日常と非日常が交錯する摩訶不思議な世界が広がっている。(中川 恵)

■妖怪や動物かたどる 造形や写真作品も

 「大衆SHOCK堂」は加古川市の特殊造形作家・喜多聰(あきら)さん(36)の屋号で、今回の作品展は「高砂異界図書館」と題して開催している。

 喜多さんは高校生のころ、グロテスクなマスク姿で演奏する米国のバンド「スリップノット」に惹かれ、売っていないなら自分で作ろうと独学でマスク製作を始めた。制作を重ねる中で、造形の楽しさに目覚め、特撮や特殊メークの道を目指して神戸芸術工科大学(神戸市)で学んだ。同大学院を修了後に作家活動を始め、イベント出展のほか、依頼を受けて水族館などの造形物も手がける。

 作り方は、粘土彫刻や3Dプリンターで原型を作り、シリコーンで型取りをし、軟質ウレタン素材を流し込んで複製する。作品に応じて、他の素材と組み合わせることもある。着色には模型用に使われるアクリル塗料などを使用。作り方については、図書館所蔵の本「幻想仮面の作り方」に寄稿している。

 会場には、般若とネコをモチーフにした仮面をはじめ、ガスマスク姿になったタヌキの面、美しい妖狐の面などが並ぶ。魚のような姿をした爬虫(はちゅう)類をモデルにしたキャラクターも展示されている。

 「人が装着して、もう1段階先の『完成』がある」と仮面の魅力を語る喜多さん。今回は図書館、同市の上田珈琲焙煎(コーヒーばいせん)所などで仮面を着けた人が登場する不思議な写真も展示する。

 また、20、21、27日の午後2~4時には、図書館2階で、仮面を試着して写真を撮ることができる。図書館1階には、仮面や異世界など関連図書を集めたコーナーを設けている。

 来年1月4日まで(12月29日~1月3日は休館)。午前9時半~午後8時。同館TEL079・432・1355