石井正己さん
石井正己さん

 柳田国男に2年遅れて、1889(明治22)年、父の松岡操(みさお)、母のたけ、弟の静雄と輝夫(後の映丘(えいきゅう))が上京した。辻川(今の兵庫県福崎町)の家と土地を売って遊学させた長兄の鼎(かなえ)は、茨城県の布川(ふかわ)(今の利根町)に医院を開業して2年半が過ぎていた。やっと家族5人の同居が実現したが、幸せばかりではなかった。