白猫の女の子「るる」さんは、Xユーザー・あるくきくらげさん(@kikuragehaaruku)一家とともに暮らしています。今から約3年前、ひとりぼっちで居場所を探していたるるさんとの出会いは、1本の電話から始まりましたーー
■◼️ダンボールの中で出会った小さな命
るるさんと出会う1年前、飼い主さんは同じく白猫の「つくし」ちゃんを保護しました。まだとても小さくケアを必要としていたつくしちゃんのお世話に明け暮れる日々。ようやく落ち着いたころ、るるさんとの出会いが訪れたのです。
「6月、つくしを保護したとき力を貸してくれた方から『家の庭に3日もひとりぼっちでいる子猫がいる。捕まえられそうなので保護できませんか?』と連絡がきたんです」
飼い主さんは大いに悩んだものの、放ってはおけないと感じ現地に向かいました。
「『自力で保護しなければいけないな』と覚悟を決めて向かったところ、ダンボールの中に生後2~3カ月の子猫がいました。小さな体は砂ぼこりだらけ。その子猫がるるさんだったんです。目がまん丸で大きく、手を近づけても怖がらず、とてもおとなしい子でした。そうして、るるさんを無事に保護して、一緒に家へ帰りました」
■◼️食欲旺盛で、やんちゃさに苦労した日々
保護してすぐ、るるさんの旺盛な食欲が目に入りました。
「初日はよほどお腹がすいていたのか『ウニャウニャ』と声を出しながらごはんを食べ、何度も『おかわり、ちょうだい!』とアピールしました。お腹がいっぱいになると、ぐっすり眠りはじめてーーその様子を見守りながら『ひとりぼっちで大変だったんだろうな』と思ったものです」
ただ、暮らしが始まってみると、これまで迎えてきた子にはない性質が見えてきました。
「先住のつくしにはない気質であることがわかったんです。それは、貪欲さ。たとえば、ネズミのおもちゃで遊び出したかと思うと食べようとするので、あわてて取り上げるとーーうなって、ガブリ。甘噛みではなく、本気で噛まれたため、指から出血しました」
るるさんは、人間の食べ物を狙うこともありました。
「テーブルに上がって人間用の刺身を盗み食いすることも。困り果てましたが、根気良く『ダメだよ』と伝えました。すると、少しずつ変化が見られ、2歳になる前には落ち着いてきたんです」
やがて、暮らしの中で安心感を得ていったのか、大きな成長が見られるようになりました。
「だんだん、人間の食べ物に口をつけることも無くなりましたし、ネズミのおもちゃを口に入れることも無くなりました。ほかの同居猫のどの子よりも、おもちゃで上手に遊べるようになったるるさんを見て、とても嬉しくなったのを覚えています」
■◼️クールでユニーク、家族に甘える存在に
るるさんは、現在3歳を迎えました。“ツンデレ”なところが魅力といわれる猫らしく、性格は超クール。その気ままさが、飼い主さんをメロメロにしているようです。
「触れようとすると、スッと避けるのですが、尻尾だけはパタパタと体に当てて来ることも(笑)。それがかわいらしいんですよね」
さらに、るるさんはユニークな仕草から、家族の間で特別なニックネームで呼ばれることもあるそうでーー
「トイレをするときの姿はクセ強め。終えると、“トイレハイ”になって、高速で駆け回ります。また、虫を見つけると変な動きをするなどーーちょっぴり抜けてるところがあるんです。そんなるるさんのことを我が家では『スットコドッコイ猫』と呼んでいます(笑)」
一方で、家族との距離感にも特徴があります。
「元気いっぱい過ぎて猫たちには敬遠されがちな娘ですが、なぜか一番懐いているのがるるさんです。普段は聞いたことのないような甘え声を出して、たっぷり甘やかしてもらっているーーそんなところも、るるさんの不思議で愛らしい魅力です」
その不思議な性格も含め、愛おしくてたまらないと飼い主さんはいいます。
「るるさんを見ていると、人間は苦手なのかもしれないなと思うんです。でも、ふと甘えてくるるるさんがかわいらしくてしかたありません。るるが家族の一員になってくれて、日々、すっとこどっこいなところを見せてくれることで、暮らしの中に楽しい時間が増えたように感じます」
最後に、飼い主さんは改めて、るるさんとの出会いに感謝したいと語っています。
「過去には、ひとりぼっちで寂しい時期もあったと思いますが、『あのとき頑張って生きて、我が家に来てくれてありがとう』。そう、伝えたいですね」
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)