さまざまな人と会話していると、時には強い口調で言及されることがあります。言った方の人は特に無意識で発言したとしても、言われた方の人はつい萎縮してしまうものです。「そんな言い方しなくてもいいのに…」と思いながらも反論できず、心の中にわだかまりが残ってしまいます。そんな悩みへの解決法として、InstagramでB.B軍曹さんが投稿した『劣等感を力に変える夫の話術』は大きな反響を呼んでいます。
きつい口調の友人がいたB.B軍曹さんは、その日も彼女の口癖である「そんなことも知らないの?常識でしょ?」という言葉に萎縮してしまっていました。夫である髭にも強い言葉を言われた経験がないか聞いてみると、どうやら彼も若い頃は同じような場面に何度も出くわしたと語ります。
そんな時、髭さんは萎縮することはなく、「今覚えて一つ賢くなりました。ありがとうございます」と回答したようです。まるで嫌味を力に変えてしまうような返答に、B.B軍曹さんは感心したといいます。同作で描かれた“切り返しの極意”について、作者であるB.B軍曹さんに詳しく話を聞きました。
■「嫌味」も受け止め方を自由にすれば心が軽くなる
ー「そんなことも知らないの?」と言われた時、以前はどのように返していましたか?
昔の私は、言われた瞬間に心がシュンと小さくなってしまうタイプでした。悔しさはあるのにうまく言い返せず、結局「そうなんだ…」と曖昧に笑ってごまかすことが多かったんです。表面上は気にしていないように見せても、内心では長く引きずってしまっていましたね。
ー髭さんの考え方を知って、ご自身の受け止め方に変化はありましたか?
大きく変わりました!以前は「そんなことも知らないの?」と突きつけられると、自分の価値が下がったように感じていたのですが、髭の返しを知ってハッとしました。「知らない=劣ってる」ではなく、「知らない=今知れるチャンス」なんだ、と。髭はきっと深く考えずに言っていると思いますが、ユーモアを交えて「ありがとうございます!」と返すことで相手のマウントを力に変えてしまう。それを知ってからは、嫌味を受けても「これは成長の機会かもしれない」と思えるようになりました。
ー実際にこの返しを使ったことはありますか?
あります(笑)。勇気がいりましたが、「あちゃー、今覚えられて得しました!」と軽く返したんです。すると相手は拍子抜けしたようになって、それ以上突っ込まれることもなく、その場の空気も柔らかくなりました。
周りからも「あの返しは驚いたけど良かった」と言われたり、会話がポジティブに切り替わったり。嫌味をそのまま受け止めると棘が残りますが、笑いに変えると自分の心も軽くなるんですよね。髭から学んだのは「受け止め方の自由」なのかなと思います。
(海川 まこと/漫画収集家)