多くの機械式立体駐車場は、車高について1550mm以下という高さ制限があります。本記事では、車高1550mm以下でファミリーカーとしても使えるコンパクトカー、SUV、ステーションワゴン、ミニバンのおすすめ8車種をご紹介します。3列シート車もありますので、参考にしてください。
■機械式立体駐車場のサイズ条件
都市部に多い機械式立体駐車場。入庫できる車両のサイズ制限は駐車場ごとに異なりますが、一般的な基準は以下の通りです。
・全長:5000mm以下
・全幅:1800~1850mm以下
・全高:1550mm以下
全長がオーバーする車はほとんどなく、全幅もミドルサイズ以上のSUVや大きめのミニバンでなければあまり心配ありません。一方、全高(車高)1550mmは軽自動車のハイトワゴン/スーパーハイトワゴンでも超えてしまいます。
■車高1550mm以下の車の主な選択肢
車高1550mm以下の車を選ぶ場合、主な選択肢は以下の3種類です。
▽軽自動車/コンパクトカー
軽自動車とコンパクトカーであれば、車高が1550mm以下に納まる車が比較的多いです。ただし、選べるのは軽自動車の「ロールーフ系」と呼ばれる車と、コンパクトカーでもワゴンタイプでないものに限られます。そのため、積載性や後席の居住性は期待できません。
軽スーパーハイトワゴン(例:N-BOX)や軽ハイトワゴン(例:デイズ)、コンパクトカーのトールワゴン(例:ルーミー)は、車高1550mmを超えてしまいます。
▽コンパクトSUV
SUVは最低地上高を高く設定しているのが一般的で、コンパクトSUVであっても全高1550mm以下に納まる車はごくわずかです。また、小さな子どもにとっては乗り降りしづらいかもしれません。
しかしながら、SUVであれば悪路も走行しやすく、適度な積載性も備えています。また、スポーティなデザインを楽しめる点も魅力です。
▽ステーションワゴン
長距離運転に適した走行安定性や積載性の高さでおすすめなのが、ステーションワゴンです。現在はあまり人気の高くないボディタイプですが、車種によっては全長が長く、後席でも充分な居住性を確保できます。
ただし、ステーションワゴンは車高が低めです。座面も低いながら、ファミリーカーとしてイメージされやすい頭上の高さはありません。
▽【注意】スライドドア車はない
ファミリーカーといえば、スライドドアを求める人が少なくありません。しかし、残念ながら車高1550mm以下のスライドドア搭載車は存在しません。
横方向だけでなく縦幅も大きいスライドドアは、装備するだけで車高が大幅に高くなってしまいます。そのため、軽自動車やコンパクトミニバンであってもスライドドア搭載車は車高が1550mmに納まらないのです。
■車高1550mm以下のファミリーカーおすすめ8選
本記事では、車高1550mm以下でファミリーカーとしてお勧めできる車として以下の8種類を選びました。
※車種情報は2025年11月13日時点のガリバー「車カタログ」より引用
▽(1)ホンダ「フィット」
・ボディタイプ:コンパクトカー
・新車時価格:177.6万円~292.9万円
・サイズ:全長3995~4095mm×全幅1695~1725mm×全高1540~1570mm
・WLTC燃費:16.0~30.2km/L
フィットは一般的なコンパクトカーの中でも室内空間が広い車です。また、ハイブリッド車は燃費性能も優れています。
親子4人までなら広さは充分。チャイルドシートを載せてもあまり窮屈さはありません。荷室容量はモデルによって異なりますが、多くのモデルは約300L前後です。モデルによっては車高が1550mmを超えてしまうので、事前にサイズを確認しましょう。
▽(2)スズキ「フロンクス」
・ボディタイプ:SUV
・新車時価格:254.1万円~273.9万円
・サイズ:全長3995mm×全幅1765mm×全高1550mm
・WLTC燃費:17.8~19.0km/L
2024年10月に登場したフロンクス。車高はきっちり1550mmで、全長もフィットとほとんど変わらずコンパクトなSUVです。最小回転半径4.8mと小回りが利き、適度な悪路走破性も備え、使い勝手に優れた一台といえます。
後席の広さはフィットより少し劣ります。また、荷室容量は後席使用時で最大290Lですが、高さがある分だけ重いものを持ち上げるのに力が要ります。一方で、デザイン性の高さや車内の上品な雰囲気は大きな魅力です。
▽(3)マツダ「CX-30」
・ボディタイプ:SUV
・新車時価格:266.2万円~368.5万円
・サイズ:全長4395mm×全幅1795mm×全高1540mm
・WLTC燃費:ガソリン車15.5~16.2km/L、ディーゼル車18.7~19.5km/L
フロンクスより全長や全幅に余裕があるCX-30。クーペSUVのような流麗なデザインながら、同じマツダ車のCX-3と比べても室内空間が広いです。
全幅が1800mm近くあるので、子ども3人であれば親子5人でも使えます。また、後席は身長170cmの大人が乗っても問題ない広さです。荷室容量も後席使用時で約430Lあります。ただし、後席は背もたれがリクライニングせず、この点は長距離移動で不便に感じられるかもしれません。
▽(4)トヨタ「C-HR」
・ボディタイプ:SUV
・中古車相場:82.3万円~369.8万円
・サイズ:全長4385mm×全幅1795mm×全高1550~1565mm
・WLTC燃費:14.3~25.8km/L
C-HRは2023年8月に販売を終了していますが、ハイブリッド車の燃費性能が優れ、サイズを考えても使い勝手の良いSUVです。
基本的なサイズは、CX-30とほとんど変わりません。一部車高が1550mmを超えるモデルもありますが、多くは1550mmです。後席使用時の荷室容量は約318Lで、ベビーカーなども積むことができます。後席の窓が小さく、小さな子どもが外を見にくい点は欠点です。
▽(5)トヨタ「カローラツーリング」
・ボディタイプ:ステーションワゴン
・新車時価格:236万円~341.7万円
・サイズ:全長4495mm×全幅1745mm×全高1460mm
・WLTC燃費:24.9~29.5km/L
カローラツーリングは、トヨタが販売するステーションワゴンの中でも人気が高い車種です。5人乗車時の荷室容量は約392Lと十分な大きさです。また、燃費性能に優れ、車両価格を考えてもコスパに優れた一台といえます。
車高は低いですが、後席は身長170cmの人でも座れます。後席中央のアームレストにはドリンクホルダーが付いており、大人も子どもも寛ぎやすいです。また、後席を倒せばフルフラット空間になり、車中泊にも適しています。
▽(6)スバル「レヴォーグ」
・ボディタイプ:ステーションワゴン
・新車時価格:363万円~536.8万円
・サイズ:全長4755mm×全幅1795mm×全高1500mm
・WLTC燃費:11.0~13.5km/L
レヴォーグはカローラツーリングよりサイズが大きく、またスバルならではのシンメトリカルAWD採用により走行安定性が高いです。そのため、比較的酔いにくい車といわれています。
他の車種に比べて燃費性能は優れていませんが、荷室容量は後席使用時でも最大約561Lと大容量です。また、後席は子どもも大人も乗りやすく、リクライニング機能もあるので長時間移動にも便利でしょう。車中泊も可能です。
▽(7)マツダ「MAZDA6ワゴン」
・ボディタイプ:ステーションワゴン
・中古車相場:121.2万円~414.1万円
・サイズ:全長4805mm×全幅1840mm×全高1480mm
・WLTC燃費:ガソリン車14.2~15.0km/L、ディーゼル車17.0~17.8km/L
MAZDA6 ワゴンは、かなり大きめの上質なステーションワゴンです。2024年9月に販売を終了しています。全幅は1840mmあり、立体駐車場によっては停められない可能性もありますので、この点は注意してください。
後席は座席に厚みがあり、心地よく座ることができます。また、後席用のエアコン吹き出し口があったり、アームレスト部分にUSBソケットがあったりと、快適性や利便性も高いです。
▽(8)ホンダ「ジェイド」
・ボディタイプ:ミニバン
・中古車相場:29万円~269万円
・サイズ:全長4660mm×全幅1775mm×全高1530~1540mm
・JC08燃費:17.6~24.2km/L
ジェイドは2020年7月に販売を終了してしまった車ですが、車高1550mm以下で3列シートを選択できる貴重な車種です。5人乗りと6人乗りがあります。
ボディタイプとしてはミニバンに分類されますが、スライドドアはありません。2列シートの場合、後席の広さはステーションワゴンより足元が少し広い程度ですが、窓が大きく、開放感があります。一方、3列目はかなり狭いです。
■ファミリーカーなら中古もおすすめ
ファミリーカーを求めている場合は、新車でなく敢えて中古車にするのもおすすめです。なぜなら、小さな子どもであれば車内を汚してしまうことが多く、またそうでなくても子どもの成長は早いからです。
中古車であれば、汚れやキズがついても新車よりは気になりにくく、使用年数が短くても買い替えに対して前向きになりやすいでしょう。
(まいどなニュース/norico)
























