三木西自由が丘郵便局(兵庫県三木市志染町西自由が丘1)で8月、携帯電話で話しながらATMを操作していた市内の男性(81)=当時=に声をかけて詐欺被害を防いだとして、三木署は16日、同局員の生田佳代さん(58)に署長感謝状を贈呈した。生田さんは「被害がなくて本当によかった」と笑顔を見せた。
同署によると、8月26日正午ごろ、同局のATMコーナーで男性が電話で通話しながらATMを操作しているのを見た他の客が、窓口の生田さんに「なんかおかしいよ」と伝えた。生田さんは男性に声をかけ、男性から聞いた話の内容を局長に報告。局長が110番した。
同署によると、男性はインターネットサイトの利用料名目で「NTTのサカイ」を名乗る男から約30万円を支払うよう要求されていた。男性が拒むと、男は「調査して問題なければ全額返金する」と言い、いったん沖縄県内の金融機関の口座に金を振り込むよう指示したという。男の電話番号は国際電話だったようだ。
同署員は「口座番号などをメモし、ATMでは電話を切るよう男性に指示していた。最近多い手口の一つ」と指摘する。「男性は説明を聞きながらでないとATM操作ができないみたいで。だから気付くことができた」と生田さん。井上和彦局長は「普段から客の様子をしっかりと観察しているからこそ」と称賛する。
同署管内では今年、1月から7月末までに13件約4800万円の詐欺被害が出ており、前年同期比で件数は約3倍、被害額は2倍に増えている。同署員は「電話でATM操作を指示するのは詐欺で間違いない」と注意を呼びかけている。(小西隆久)