26日投開票の神戸市長選で、12~25日の選挙期間中にX(旧ツイッター)に投稿された立候補者4人の名前の表示回数を調べると、最上位の候補者が全体の8割を占め、最下位との間に約50倍の差があった。また動画投稿サイト「ユーチューブ」での再生回数ではトップの候補者が全体のおよそ半数を占めており、最下位との差は約7倍だった。(門田晋一)

■X、ユーチューブともに参院選の2%以下
Xやユーチューブは政治や選挙の情報源として活用する人が増加。昨秋の兵庫県知事選や今夏の参院選では、有権者の投票行動に影響を与えたとされる。ただ、神戸市長選で大きな盛り上がりは見られなかった。
X上の候補者名の表示回数は交流サイト(SNS)の分析ツール「ソーシャルインサイト」で抽出。姓名を漢字ではなく、ひらがなで届け出た3人は本名と届け出名を足した。ユーチューブについては「ソーシャルインサイト」と、SNSの解析サイト「ソーシャルブレード」で分析した。
神戸市長選と参院選兵庫選挙区を比較するとどうなるか。
神戸市長選の立候補者は4人、参院選は13人で、選挙期間は14日間と17日間といった違いがあり単純比較はできないが、市長選の告示後1週間を参院選の同期間と比べると、Xに投稿された候補者名の表示回数の合計は参院選の約0・8%、ユーチューブの再生回数の合計は約1・5%にとどまった。
また最後の1週間の比較では、Xで約0・4%、ユーチューブで約1・9%だった。
神戸市長選ではインスタグラムやフェイスブックに投稿した候補者もいたが、今回はXとユーチューブデータ以外の分析はしていない。

■X分析/子ども医療費巡る議論が影響か
神戸市長選(12~25日)のX上の動きを見てみる。
14日間の選挙戦で、候補者名がX上に表示された回数は計約5400回。このうち現職の久元喜造氏(71)=自民県連、立民県連、国民県連、公明推薦=は約4200回で最多となり、2番目になった新人で元神戸市議の五島大亮氏(48)の約700回とは約3500回の差をつけた。新人でニュース分析会社社長の木島洋嗣氏(50)は約400回、新人で兵庫労連事務局長の岡崎史典氏(56)=共産推薦=は約100回だった。
1日ごとの表示回数を見ると、久元氏は乱高下しており、自己最多は20日の約700回。同日、久元氏の支持を公言している神戸市議が自身のXのアカウントに、8年前の議会の質疑で子ども医療費の無料化を巡る共産党市議の質問に対して久元氏が反論する場面の動画を投稿し、拡散されたことが影響したとみられる。
五島氏も同日、約200回を記録。岡崎氏は選挙戦序盤の12日の約30回、木島氏は13日の約80回がそれぞれ最多で、その後は伸びなかった。

■ユーチューブ分析/片山さつき氏の演説も貢献
続いて、神戸市長選(12~25日)のユーチューブの動きを見てみる。
立候補した4人の総再生回数は計約11万5900回だった。久元氏は約6万600回でトップに立った。2番目の五島氏は約3万7100回で、久元氏と五島氏の2人で全体の約8割に及んだ。岡崎氏は約9700回、木島氏は約8600回だった。
久元氏は期間中、ショート動画に絞って31回投稿した。再生回数は1日約1400~6千回で推移したが、最終日は期間中最多の約1万4100回を記録。動画を4回アップし、マイク納めが約8400回に上った。応援に訪れた片山さつき財務大臣の演説が約3400回視聴された。


























