幼虫のふんや木くずの混ざった「フラス」(県提供)
幼虫のふんや木くずの混ざった「フラス」(県提供)

 サクラやモモに深刻な被害をもたらす特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」。三田市内では昨年7月に初めて確認された。市は樹木を伐採するなどしてきたが、今年も幼虫が見つかった。専門家による調査では成虫も発見されており、最大限の警戒を呼びかけている。(黒田耕司)

 クビアカツヤカミキリは、東アジア原産の昆虫で、成虫は6~8月ごろに活動する。1匹のメスが樹皮に最大で千個程度の卵を産むなど、繁殖力が非常に強い。幼虫は木の内部を食い荒らしながら約2年間生息、枯死させる危険がある。

 県内では2022年に明石市で初めて見つかって以来、西宮市や神戸市で確認されていた。

 三田市では昨年、四ツ辻周辺の街路樹などで計20匹を確認。樹木に幼虫の移動を妨げる防除ネットを設置するなどしたが、その後の調査で、樹木計51本に被害があったことから、うち45本を伐採処分。被害が小さかった6本はネットを巻くなどの対応を行っていた。

 市によると、今月19日、四ツ辻交差点近く(東本庄)で、幼虫のふんと木くずが混ざった「フラス」が見つかったと通報があった。昨年の発見場所から数百メートルで、サクラ2本に幼虫5匹、モモ1本に幼虫1匹を確認。サクラ2本には防除ネットを巻き、薬剤を散布、モモは被害のあった枝を切除するなどした。

 通報した県立人と自然の博物館(弥生が丘6)、三橋弘宗・主任研究員によると、別の場所で成虫1匹も見つかっている。

 三橋さんは「もはや災害と同じレベルの出来事と捉えるべき。素人では見抜けないことがある。専門的な訓練をした集団に依頼するなど、本格的な調査を徹底しないといけない」と警鐘を鳴らす。

 成虫やフラスなどの目撃情報は、県が通報フォームや電話で受け付けている。県自然鳥獣共生課TEL078・362・3389