移動式の型枠でアーチ状にコンクリートを送り込む作業が公開された現場=相生市と赤穂市の市境付近
移動式の型枠でアーチ状にコンクリートを送り込む作業が公開された現場=相生市と赤穂市の市境付近

 西日本高速道路関西支社(大阪府)は15日、9月上旬の火災による通行止めが続く山陽自動車道尼子山トンネル(兵庫県相生市-赤穂市、592メートル)で、内部の復旧作業を報道陣に公開した。現場では内壁となるコンクリートの打設や剝落対策の工事が進む。作業は順調で、12月下旬にも通行止めを解除できる見通しという。

 火災は9月5日未明に発生。同トンネルを走行中の大型トラックから出火し、乗用車など計23台を焼いた。トンネル内は東から約400メートルにわたってコンクリート壁がはがれ落ち、照明や消防設備も焼損。今も播磨ジャンクション-赤穂インターチェンジ間の西行き約13キロで通行止めが続く。

 現場は火災で壊れた壁面の撤去を完了。大きな影響を受けた約200メートルの区間では、アーチ状に生コンクリートを送り込む移動式の型枠を使い、内壁を新しくする作業が続いていた。他の区間は、コンクリート片の落下を防ぐため、表面を補強する作業を夜間に進めているという。

 12月には照明や路面標示などの復旧作業に入り、工事を終える予定。同社姫路高速道路事務所の吉田英樹所長(50)は「一日も早い復旧に向け、関係機関と連携して作業をしていく」と話した。(田中宏樹)