神戸税関のレトロ庁舎の全景を一望-。街並みの再整備が進む神戸・三宮南の新港地区では、風景の変遷も加速している。
神戸税関は1927(昭和2)年に旧館が完成、99年に新館を増築した。昨年、隣接していた倉庫が撤去され、長さ約136メートルの庁舎南側や船の上部構造に似た会議室など、威容が見渡せるようになった。
三菱、三井、住友、川西の大型倉庫群や生糸検査所が集まっていた貿易港らしい一帯。海運とともに発展を遂げたが、時代の推移や老朽化で少しずつ姿を消している。
同地区の再整備では、複合施設「神戸ポートミュージアム」や新しいマンション、ビルが誕生した。約1万人収容のアリーナの建造も進められる。
日本経済を支えた名残と、新時代の構造物と。税関の大きな庁舎と周辺は、ミナト神戸の今昔を伝える。(三津山朋彦)