理化学研究所は10日、神戸・ポートアイランドの計算科学研究センター(神戸市中央区)で稼働しているスーパーコンピューター「富岳」が、スパコンの計算性能を示す国際ランキングの主要4部門のうち、大規模グラフ解析に関する「グラフ500」で11期連続となる世界1位を獲得した、と発表した。
昨年11月まで1位を守ってきた主に産業分野で用いられる「HPCG」の部門では、米国の「エル・キャピタン」に続く2位で、「1冠」となった。
ランキングは年2回更新され、今回はドイツで開かれている国際会議で発表された。各国が激しい開発競争を進めているが、依然として世界的に高いビッグデータ処理能力があることを示した。
人工知能(AI)の計算などで活用される「HPL-MxP」では6位、計算速度ランキングの「トップ500」は7位だった。
理研などの共同研究グループは「引き続き、負荷低減やデータ圧縮などの研究開発を通じ、さらなる性能改善を進めていきたい」としている。
「富岳」は試験運用中の2020年6月、グラフ500を含む主要4部門で1位となる「4冠」を世界で初めて達成。21年11月まで4期連続で維持した。(広畑千春)