サッカーのアジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)は1日、ノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)で東地区1次リーグ第2戦があり、ヴィッセル神戸は後半追加タイムに汰木(ゆるき)が決めてメルボルン・シティー(オーストラリア)を1-0で破った。開幕2連勝で勝ち点6とした。
静かな夜が、一瞬にして沸き上がった。終了間際、長かった均衡を破ったのは神戸の汰木だ。苦しみながらもACLEのホーム初戦を飾った。
後半追加タイム3分過ぎ、前線に抜け出した汰木がGKとの1対1でシュート。一度は阻止されたが、相手DFに当たって再び自らの前にこぼれ、無人のゴールへたたき込んだ。
今季リーグ戦は出場22試合で2得点。メンバーを入れ替えたカップ戦でも、格下に苦戦続きだった。今回は勝利に導き、「最後に転がってきたチャンスをものにできてほっとした」と語った。
中2日でアウェーのJ1浦和戦を控え、出場停止となるDFトゥーレルを除き、直近のJ1清水戦から先発10人を入れ替え。9月に加入した元日本代表GK権田が加入後初先発した。
前半は想定外にこぼれ球を拾えず、「相手の個人技のレベルが高く、迷いながらプレーしていた」と汰木。後半20分過ぎに主力の宮代、井出、鍬先(くわさき)を一斉に投入。攻勢を強め、宮代がクロスから頭や足で惜しいシュートを放ったが、決めきれなかった。
敵地で快勝した開幕戦から一転、物足りなさが目立った。それでも、ほぼピンチがなかった堅守が支え、清水戦に続く劇的ゴールで白星。汰木は「リーグ戦にいい形でつながれば」と汗をぬぐった。(井川朋宏)