茨城県つくば市の産業技術総合研究所(産総研)は17日、雌のノコギリカメムシの後ろ足にある「耳」と考えられていた部位が、自身の卵を外敵から守るために菌を培養する「共生器官」だったと発表した。
雌の成虫の後ろ足には楕円形の部位があり、そこから糸状の菌が生えてくることが判明。菌を爪でひっかき、産卵した卵に塗りつけるような行動をすることも分かった。この菌が卵を覆うことで、ノコギリカメムシの卵に、ハチの一種が卵を産み付ける寄生を防いでいるという。
ノコギリカメムシは全長約1・5センチで、日本全土に分布し、小川ややぶに生息。5~7月ごろに産卵期を迎える。
ノコギリカメムシの耳にあたる聴覚器官がどこにあるかは不明という。