研修会で、発砲までの工程を確認するハンター=8月、北海道下川町
 研修会で、発砲までの工程を確認するハンター=8月、北海道下川町

 クマ被害が深刻化しているのを受け、警察庁は31日、同庁の担当者を来週、被害の多い地域に派遣すると明らかにした。現場のニーズなどを聞き取り、警察に配備されているライフル銃や部隊を、市町村の緊急銃猟で活用することを検討する。

 31日の閣議後会見では、関係閣僚からクマ対策の支援強化に関して発言が相次いだ。林芳正総務相は、駆除を担う自治体職員「ガバメントハンター」の確保を支援していく考えを示した。

 防衛省は秋田県に自衛隊を派遣する方針を固めている。小泉進次郎防衛相は自衛隊の活動内容に関し「箱わなの輸送支援をする方向だ。協力し得るものから速やかに実行していく」と話した。

 石原宏高環境相は、自治体判断で市街地での銃猟を可能とする「緊急銃猟制度」について、実施例などを踏まえ、対応のポイントを全国の自治体に共有する考えを示した。

 自民党は31日、会合を開催。政府に対し、資機材購入など自治体のクマ対策費用の負担軽減を図る予算措置を取ることや、多言語で登山注意報を発信することなどを観光庁に要望した。