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平尾誠二さん特集

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神戸製鋼ラグビー部総監督に就任した平尾誠二ゼネラルマネジャー(右)と後藤翔太新主将=2007年3月5日午後、神戸市東灘区の神戸製鋼ラグビー部クラブハウス
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神戸製鋼ラグビー部総監督に就任した平尾誠二ゼネラルマネジャー(右)と後藤翔太新主将=2007年3月5日午後、神戸市東灘区の神戸製鋼ラグビー部クラブハウス

 「ミスターラグビー」は、ユニホームを脱いだ後もスポーツ振興や被災地支援に走り続け、各界から親しまれる存在だった。

 世界的指揮者で兵庫県立芸術文化センター芸術監督の佐渡裕さんは、テレビ対談を機に10年以上にわたり親交を深めた。

 バーで飲みながら「ラグビー日本代表は勝負どころで深刻になる」とこぼす平尾さんに、佐渡さんはニュージーランド代表「オールブラックス」の行う伝統舞踊「ハカ」を挙げて「あれは3拍子。彼らはワルツのように試合を楽しもうとしている」と指摘。平尾さんの面白がる様子が忘れられないという。

 「見た目も立ち居振る舞いも格好よく、一言で物事を的確に伝える能力に感心した。日本の大きなヒーローを失った」と悼んだ。

 平尾さんは被災地支援にも積極的だった。原点は阪神・淡路大震災。神鋼が日本選手権7連覇を達成した2日後、歓喜に沸く神戸を揺れが襲った。自宅も被害を受けた。

 岩手県釜石市が2019年ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の誘致に名乗りを上げると、関連イベントに顔を出した。かつてのライバルチームの選手に、釜石市民が次々とサインを求めた。神鋼と並ぶ7連覇を果たした新日鉄釜石の後身「釜石シーウェイブス」最高顧問の高橋善幸さん(51)は「チームの枠を超えたスター。これからも復興を応援してくれると思っていただけに…」と声を落とした。

 釜石とともにW杯の開催都市に決まった神戸市。「大会組織委員会理事という立場上、表立って神戸誘致を支援してもらうのは難しかった。それでも平尾さんがいたから神戸の存在を示せた」。開催準備を担う市教育委員会の岡田健二・スポーツ担当局長は「何としても大会を成功させたい」と誓った。(松本寿美子、小川 晶、若林幹夫)

2016/10/20
 

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