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平尾誠二さん特集

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西口修平主任教授
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西口修平主任教授

 20日に53歳で亡くなった神戸製鋼ラグビー部ゼネラルマネジャー(GM)の平尾誠二さんは、昨秋から胆管細胞がんで闘病していた。かかる人は多くはないが、昨年亡くなった柔道家の斉藤仁さんや女優の川島なお美さんら、若い世代にも発症が目立つ。専門家は「治療の難しいがんの一つ」と指摘し、検査の重要性を強調する。

 胆管細胞がんは、肝臓でつくられた胆汁を十二指腸まで運ぶ管にできるがんだ。

 国立がん研究センターの推計では、新規患者は年間2万6500人(胆のうがんを含む)。がんの中では11番目で、大腸がんの5分の1以下だが、死亡者数で見ると6番目に跳ね上がり、治療の難しさを物語る。平尾さんが約1年の闘病で亡くなったように、長期の生存率も低いのが実情だ。

 その理由について、兵庫医科大肝・胆・膵(すい)内科の西口修平主任教授は「早期発見が非常に難しい」と指摘する。大阪市の印刷工場の従業員に発症が相次いだ問題では、原因は特定の化学物質とされたが、一般的には未解明だ。「特殊な例を除き、どのような人に危険性が高いのかも分かっていない」という。

 主な症状で、皮膚や目が黄色くなる「黄だん」が現れれば、すでに進行段階。周囲の膵臓や肝臓にも広がりやすく、唯一の根本治療である手術が困難なケースが多いという。

 一方で、早い時点で見つかり、手術でがんを取り除くことができれば、比較的良好な成績が示されている。

 「胆管細胞がんは60代に多く、平尾さんは早い」と惜しむ西口主任教授。詳しく調べるには磁気共鳴画像装置(MRI)などでの検査が必要だが、「健康診断などで、胆道の指標となるALPの数値に異常があれば放置せず、詳しい検査を受けてほしい」と早期発見の重要性を説く。(武藤邦生)

2016/10/27
 

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