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平尾誠二さん特集

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平尾誠二さんの写真の前に出されたハイボール=神戸市中央区下山手通2
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平尾誠二さんの写真の前に出されたハイボール=神戸市中央区下山手通2

 「神戸でW杯(ワールドカップ)が行われることは、今後ないかもしれない。この時代に神戸に生きて、W杯を経験できてよかったと思っていただける大会になればいい」-。ラグビーW杯の日本誘致に尽力した平尾誠二さんは、亡くなる1年4カ月前の2015年6月、神戸新聞のインタビューにこう語っていた。日本大会の神戸初戦があった26日、平尾さんが約30年通った三宮のバー「MY-BAR(マイバー)」では、今も平尾さんを慕うファンらが杯を傾け、待ち望んだ瞬間をかみしめた。(長谷部崇、千葉翔大)

 「おはようさん」。店主の片山幸彦さん(72)はこの日も朝出勤すると、カウンターに飾られた平尾さんの写真の前にいつものハイボールを出した。店の壁には談笑する平尾さんの写真やユニホームがずらりと並ぶ。

 「彼にとって、忙しい日常から離れてギアチェンジできる場所。僕も店でラグビーの話はあまりしなかったね」と片山さん。カウンターの端が指定席で、いつもハイボールを2、3杯飲んで帰ったという。

 平尾さんはW杯誘致の旗振り役を務め、日本大会が決まると開催都市への助言や広報活動にも尽力した。

 いよいよ迎えた神戸でのW杯初戦。片山さんは「彼が先頭に立って頑張っていたのを知っているから、やっぱりうれしいね」と感慨深げにイングランド-米国戦のテレビ中継を見つめた。

 初めて店を訪れた大阪府高槻市の自営業石橋範雄さん(54)は同志社大時代からの平尾ファン。来店前には、神戸・メリケンパークに設けられた「ファンゾーン」を訪ね、平尾さんの功績をたたえるコーナーを見学したという。

 メッセージボードには、多くのファンが「平尾さんと一緒にW杯を見たかった」と記していたという。

 「僕ですか?」と石橋さん。「もちろん『平尾さん、一緒に見よな』と書きました」

2019/9/26
 

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