白岩孝夫南陽市長(@TakaoShiraiwa)のXより
白岩孝夫南陽市長(@TakaoShiraiwa)のXより

人口約3万人の山形県南陽市で、クマが小学校の窓ガラスを割り、市職員を襲撃するという異常事態が発生している。

南陽市によると、二つの事件を起こしたクマは同一個体の可能性があり、一週間たった6日現在もクマは捕まっていない。住民や児童の安全確保が課題となっている。

10月29日早朝、山形県南陽市の赤湯小学校の玄関前にクマが現れ、窓ガラスに体当たりして割る様子が、防犯カメラに記録されていた。校庭にはクマの足跡が残され、同小学校は臨時休校。クマが体当たりする動画や足跡の写真をXにアップした白岩孝夫南陽市長は「付近の方は戸締まりの上、厳重に警戒をお願いします」と呼びかけた。

その3日後、11月1日朝、クマを警戒しパトロールをしていた南陽市の職員(58)が熊に襲われ、右手を骨折する全治3カ月の大けがを負った。捕獲用の「箱わな」を設置されたが、現在もクマは捕まっていない。白岩市長は「1日11時頃から、消防の熱探知ドローンで南森遺跡と稲荷森古墳付近の藪を捜索」「熊の所在特定を試みましたが、繁茂した樹木に遮られて、発見には至らず」「警察と協力して、車両内から定点監視及び巡回を行い、警戒を続けています」などと投稿した。

3日には監視カメラがクマをとらえ、「この映像をもとに、引き続き猟友会と協議しながら対策を講じます」とした。

南陽市を含む山形県内ではこの秋、クマの出没や人的被害が増加している。警戒を続ける南陽市は「担当課だけでなく、他部署とも連携して対応している」としており、人口約3万人の町がクマ被害の対応に追われている。

(まいどなニュース・伊藤 大介)