かつて元恋人と住んでいた家賃5万5000円、築40年で3DKのアパート。同棲解消後もその部屋に住み続ける女性が、自身の心の変化を語った動画をYouTubeに投稿し、注目を集めています。投稿したのは、一人暮らしの日常を発信するYouTubeチャンネル「koyomi diary」(@ko__yo__mi__diary)を運営する、34歳のこよみさんです。
こよみさんは6年前に元恋人と同棲を始めたものの、1年が経ちお別れすることに-。こよみさんは同棲を解消した当時を振り返り、「“縁起の悪い部屋”という気持ちになり、引っ越しのことばかり考えていました」と話します。
「今のもどかしさや苦しさから抜け出すには、新しい場所で1から再スタートを切るのが必要だと思っていました。住む場所を変えれば、自然と自分の人生も変わるような気がしていたんです」
しかし現実は簡単ではありませんでした。アルバイト勤務で愛犬・小雪ちゃんと暮らしていたため、ペット可の物件は家賃が高く、引っ越し費用も大きな負担でした。悩んだ末、「この部屋で生き直す」と決意したといいます。
「覚悟というより“致し方なく”という感覚でした。当時は日常を送るだけで精一杯。夜は何もする気が起きず、SNSを見て落ち込む日々でした」
そんな時、支えになったのが小雪ちゃんの存在。「眠ろうとすると必ずベッドに入ってきてくれる。“今日もありがとう”“かわいい”と自然に言える存在がいることが幸せです」と語ります。
生活習慣も見直し、心が落ち着くにつれ、こよみさんは「この部屋を自分の好きな空間に変えていこう」と思えるようになったそうです。
心の整理をつけるきっかけとなったのが、日記でした。
「30歳の節目に“ほぼ日5年手帳”を買いました。1日の出来事や愚痴、理想の自分になりきって書くこともあります。全部、その時の本音です。読み返すと『こんなことで悩んでたんだ』『私って頑張ってたんだな』と気づけて、安心するんです。日記は本当の自分を教えてくれる存在ですね」
そんな手帳や日記を書く時間を特別にしたくて、デスクを中心にした部屋にしました。リサイクルショップや蚤の市を巡って、アンティーク家具を少しずつ集めているといい、部屋には5000円で見つけた歪んだ天板のテーブル、800円で買った軋む椅子が並びます。
「完璧じゃないところに味があるんです」と、経年の魅力を楽しみながら少しずつ「パリのアトリエのような空間」を完成させていったと語ります。
また動画では、和食やフルーチェなど素朴ながら丁寧に作られた料理の数々も登場します。
「“心に余裕があるから食事を作る”というより、食べたいものを考えて、体を動かして作って、食べる。その過程で心が穏やかになります」
料理を通しても、こよみさんは自分のペースを取り戻していったようです。
こうして“縁起の悪い部屋”だった空間は、少しずつ「自分を取り戻す場所」へと変わっていきました。
「過去を消すんじゃなく、受け入れて生きていく。そう思えた時、この部屋も自分の味方になりました」と語るこよみさん。
動画には「同じ境遇で励まされた」「自分も頑張ろうと思えた」といった声が多く寄せられています。
























