令和7年度の最低賃金は全国加重平均で1121円、最高は東京都の1226円と初めて1200円を超える都道府県も出てきました。
時給で働くアルバイト・パートの方は、この最低賃金引き上げに伴い、時給がアップしたという方も多いのではないでしょうか。
一方、月給で働く正社員や契約社員の場合、最低賃金の引き上げで自分の給与に影響があるか、計算してみたことがある方は少ないかもしれません。しかし、給与水準によっては最低賃金の引上げが自分の月給に関わってくることも。「最低賃金以下」の月給になっていないか気になる方は要チェックです!
■「時短勤務月給15万円」の契約事務職は最低賃金以下!?
Aさん(関東在住、40代、契約社員)は長女の出産を機にそれまで勤めていた会社を退職、数年前に次女が小学校に入学したのをきっかけに、近所の小さな会社の事務パートに応募し、同じ会社で契約社員に切り替えて働いています。
フルタイムと言っても1日6時間の時短勤務で残業もほとんどなく4時にあがれること、土日祝日は必ず休めることから、月給は15万円と低いものの、納得して働いていたそうです。
ある日、子どもの小学校でのママ友との立ち話で仕事探しの話になった時のこと。「家の近所で時短で土日休みなんて羨ましい!」と言われたので「月給は15万円しかないけどね」と答えたところ、ママ友から「うーん、最低賃金くらい?」と言われてびっくり。
そういえば月給で最低賃金なんて意識したことがなかった…と思い、計算してもらったところ、ここ数年の東京都の最低賃金の上昇で、今年度からほんのわずかに最低賃金を下回っていることがわかりました。
幸い、会社が「気がつかなくて申し訳ない」とすぐに給与改定をしてくれたため、少しお給料がUPしたそうです。
■意外と知られていない月給の場合の最低賃金の計算方法
Aさんのように、急激に最低賃金が上がったエリアでお勤めの場合は同じようなケースがあるかもしれません。
意外と知られていない月給の場合の最低賃金の計算方法を確認しておきましょう!
「月給(基本給・社員一律に毎月定額で支払われる手当)÷月平均所定労働時間」
上記のAさんの場合、1日6時間勤務、年間休日120日のため月平均所定労働時間は122.5時間となり、15万円÷122.5時間=1224円が時給ということになります。
令和7年度の東京都最低賃金は1226円のため、わずかではありますが、最低賃金を下回っていたということになります。
なお、この「月給」には通勤手当や時間外・休日・深夜労働手当、賞与、家族手当などは月給に含まれません。
「自分の月給、時給に直したらいくら?」一度計算してみては?
■最低賃金の改定、企業の約3割弱が「現在の時給は引き上げ後の最低賃金を下回っている」
東京商工リサーチが実施した企業アンケートによると、2025年度の最低賃金よりも低い時給での雇用がある企業は27.1%にのぼり、今回の引き上げにより給与改定の必要性が生じています。
最低賃金の改定は今後も引き上げが予定されており、政府は2020年代に「時給1500円」を目標にしています。この最低賃金1500円への対応をすでに達成している企業の割合はわずか17.34%。
これから最低賃金の改定が続く中、「うっかり最低賃金割れ月給」が発生してしまう会社が増えてくるかもしれません。
◆沼田 絵美(ぬまた・えみ)人材業界や大学キャリアセンター相談業務などに20年以上携わる国家資格キャリアコンサルタント。























