連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

記事特集

  • 印刷
思いを冊子にまとめた環境防災科の9期生たち=神戸市垂水区学が丘3、舞子高校
拡大
思いを冊子にまとめた環境防災科の9期生たち=神戸市垂水区学が丘3、舞子高校

 全国で唯一、防災を専門に学ぶ県立舞子高校(神戸市垂水区)環境防災科で、3年生の阪神・淡路大震災の体験をまとめる取り組みが本年度で終わる。自分たちが感じた震災を伝える「教科書」にしようと2004年度に始まったが、今春卒業の9期生を最後に震災を体験した生徒がいなくなることから、内容を見直すことになった。(宮本万里子)

 冊子は「語り継ぐ」と題し、震災時、小学2年生だった環境防災科1期生が最初にまとめた。4年ほど前から、自分たちの体験の記憶よりも、両親らから聞き取った内容が増えていた。

 9期生39人は、震災時生後間もないか、生まれていない生徒たち。北崎翔太さん(17)は震災発生の9日後に生まれた。母親が周囲の人に食事や毛布を提供してもらい、助けられながら自分が誕生した話に触れ、「祖母は、僕が被災して亡くなった人たちの生まれ変わりだと言った。そうなれたらいいなと思う」と記した。卒業後は大学に進み、心のケアを担う臨床心理士を目指す。

 三好拓也さん(18)は、神戸市消防局で働く父親が、震災時に水が出ずに消火できなかった悔しさを聞き取り、「命と向き合い続ける父を誇らしく思う」とつづった。「消防士という職業の偉大さと大変さを感じた」といい、「将来は消防士に」との気持ちを抱く。

 「語り継ぐ」はホームページで公開しており、兵庫県外の高校が授業に活用した例もある。環境防災科長の諏訪清二教諭(52)は「震災のつらさだけでなく、乗り越えるための助け合いや支援の喜びもつづられている。生徒の視点で語り継げたことに意義があったと思う」と振り返り、「来年以降、震災の教訓をどう継承していくか考えたい」と話している。

2013/1/18
 

天気(9月6日)

  • 33℃
  • ---℃
  • 10%

  • 35℃
  • ---℃
  • 10%

  • 35℃
  • ---℃
  • 10%

  • 36℃
  • ---℃
  • 10%

お知らせ