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震災復興事業で生まれた緑地。2011年までは住民が交代で水やりをしていた=淡路市仮屋
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震災復興事業で生まれた緑地。2011年までは住民が交代で水やりをしていた=淡路市仮屋

 阪神・淡路大震災後の復興区画整理などで誕生した兵庫県淡路市内の公園や緑地の維持管理が、住民の高齢化で難しくなっている。地域がボランティアで清掃活動などをしていたが、市に依頼するケースが出ており、管理が行き届かずに公園が荒れるのではと心配する声が上がっている。(大月美佳)

 同市によると、震災後に整備された市営の公園や緑地は、約40カ所。環境改善だけでなく、火災の延焼防止や避難所の役割も担う。管理は、同市富島の小倉公園など面積が広い公園を同市がシルバー人材センターに委託し、残りは地元の町内会や近隣住民が担っている。

 同市仮屋の相ノ町緑地は年2回の町内会の掃除に加え、地元の二十数世帯が3日ごとに水やりをしていたが、高齢化で担い手が減り、2011年に管理を断念。同センターが清掃を請け負い、現在は住民が木の剪定(せんてい)など、できる範囲で手入れをしている。

 「当初は『自分たちの町は自分たちで』という意識があったが、高齢化して無理」と、かつての町内会役員(74)。多くの花々が消え、「ブランコも使う子どもがいなくて撤去した。震災直後はまだ町もにぎやかだったけど…」と振り返る。

 同市久留麻の引野緑地も、年1回掃除していた地元町内会が今年春からの管理を同市に依頼。「掃除してくれる人は高齢者が多く、草刈りが大変」と町内会の内海孝会長(65)は話す。

 現在、住民らが管理する公園や緑地は17カ所に減った。同市は「高齢化で管理が難しくなるのは分かるが、市の予算は限られている。何とか地元で管理を続けてほしい」と話す。地元が管理していない場合は管理が行き届かず、雑草が生い茂ってる場合もある。

 神戸市内でも区画整理や再開発で公園が整備され、住民が維持管理を担っているケースが多いが、同市によると、これまでに住民が断念した事例は把握していないという。

2014/1/15
 

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