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亡くなった3人の教え子について話す木下新吾さん=17日午前9時13分、芦屋市立山手小学校(撮影・笠原次郎)
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亡くなった3人の教え子について話す木下新吾さん=17日午前9時13分、芦屋市立山手小学校(撮影・笠原次郎)

 兵庫県芦屋市立精道小学校で担任する教え子3人を亡くした木下新吾さん(43)が17日、同市立山手小学校で震災について話した。亡くなった児童の作文を紹介しながら、「生きる大切さを胸に刻んで」と訴えかけた。

 現在、市教委に勤務する木下さんは、震災前年、新任教諭として精道小に赴任。4年2組の青木尚子さん、往古大喜君、須賀晃弘君=いずれも当時(10)=が亡くなった。

 震災直後、青木さんの自宅で、母への気持ちをつづった作文を見つけた。「コンクール用の作文だったが、締め切りが過ぎていたので返した。読んであげればよかった」と悔やんだ。青木さんは作家になるのが夢だった。

 須賀君は夜、木下さんの自宅に電話をかけてきたことがあった。「先生、大変! 金魚のえさがなくなった」。電話口で思わず笑った。往古君を含め、3人とも明るく、かわいくて仕方がなかった。

 同じような年齢の子どもたちの前で体験を話すのは、身を切られる思いだった。「でも、僕が語らないと、教科書に記されただけの震災になってしまう」

 この日、全校児童約660人に語りかけた。「3人とも夢を描きながら突然亡くなった。二度と会えなくなることがあることを忘れず、人に接してほしい」

(黒田耕司)

2014/1/17
 

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