連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

記事特集

  • 印刷
阪神・淡路大震災直後の須磨区千歳町。火災で焼け野原になった=1995年1月18日
拡大
阪神・淡路大震災直後の須磨区千歳町。火災で焼け野原になった=1995年1月18日
住民を前に、防災アンケートの結果を発表する神戸学院大の学生ら=15日夜、神戸市須磨区千歳町
拡大
住民を前に、防災アンケートの結果を発表する神戸学院大の学生ら=15日夜、神戸市須磨区千歳町

 阪神・淡路大震災で9割の住宅が倒壊・焼失し、47人が亡くなった神戸市須磨区千歳地区で、初めて行われた住民による防災アンケート結果が15日、公表された。回答した242人のうち、南海トラフ巨大地震など今後の災害に備えて近所の人と話し合っていたのは2・4%(6人)、家族の役割分担を決めていたのは3・7%(9人)。大震災で被害が集中した地域でも災害の備えへの意識が十分でない状況にあることが浮き彫りになった。

 アンケートは昨年9~10月、同地区連合自治会と自主防災福祉コミュニティが地域の約600世帯に向けて実施。19~89歳の242人から回答があり、神戸学院大の舩木伸江准教授(防災教育)と学生12人が分析した。

 242人のうち92・1%(223人)が震災を経験し、57・8%(140人)は家屋が全半壊していた。今回、南海トラフ巨大地震などへの備えを聞いたところ、津波の避難場所を決めていたのは29・3%(71人)、家具の転倒防止対策をしていたのは27・2%(66人)と、3割を下回った。

 一方で懐中電灯の準備が69・4%(168人)、火災報知器の設置が61・5%(149人)と高かった。舩木准教授は「一人でできる備えは多くの人がしているが、家族や近所などほかの人を巻き込んでの対策となると、少ない」と指摘する。

 震災が「風化している」と答えたのは69・4%(168人)で、震災を語り続けることは必要か-との問いに92・5%(224人)が「必要」と答えた。

 アンケートは15日夜、千歳地区センターで開かれた防災学習会で発表され、住民ら約70人が耳を傾けた。震災で次男を亡くし、アンケートを企画した同地区自主防災福祉コミュニティの崔敏夫委員長(73)は「教訓が生かされておらず驚いた」と話し、「震災を伝える重要性は大勢が認識している。訓練を重ね、地区全体で防災意識の向上を図りたい」と力を込めた。

(上田勇紀)

2014/2/15
 

天気(9月6日)

  • 33℃
  • ---℃
  • 10%

  • 35℃
  • ---℃
  • 10%

  • 35℃
  • ---℃
  • 10%

  • 36℃
  • ---℃
  • 10%

お知らせ