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兄の小山泰弘さん、陽美さん夫妻の墓参りをする田中千鶴子さん(左)と益也さん=17日午前、淡路市野島蟇浦(撮影・内田世紀)
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兄の小山泰弘さん、陽美さん夫妻の墓参りをする田中千鶴子さん(左)と益也さん=17日午前、淡路市野島蟇浦(撮影・内田世紀)

 旧北淡町(現兵庫県淡路市)の野島小学校長だった小山泰弘さん=当時(59)=と、野島保育所保育士だった妻陽美(はるみ)さん=当時(56)=の墓に花が絶えない。泰弘さんの妹、田中千鶴子さん(73)=洲本市=が17日に参ると、今年も白や黄色の菊が供えられていた。「教え子のようです。ありがたい」と感謝する。

 淡路市野島蟇浦(ひきのうら)の木造2階建て家屋は全壊。2階で寝ていた泰弘さんの胸にはりが落ち、陽美さんには土壁が崩れて亡くなった。千鶴子さんは淡路島南部の旧西淡町に住んでおり、島北部の被害を知らなかった。夫の益也さん(75)が午前11時ごろ、2人が亡くなったことをラジオ放送で知った。

 旧北淡町民センターで2人と対面。顔が紫色になっており、「苦しかったんだろうな」と、千鶴子さんの胸は張り裂けそうだった。

 泰弘さんは岩屋中学教員時代、相撲部顧問を務めた。植物や動物好きで学校でランを育てたこともある。ふだんは穏やかだが、悪いことをすると厳しく叱った。陽美さんも優しい保育士。登園の園児が「一緒に行こう」と自宅まで誘いに来るほど慕われていた。

 亡くなって19年たっても、2人の墓にはだれかが新しい花を手向けている。墓地近くの住人に聞くと「教え子みたいな人が来ていた」と教えてくれた。

 今年も、益也さんと一緒に墓参した千鶴子さん。「明るい花をたくさん生けよう。悲しむだけじゃあかんもんね」と、ピンクや黄色の花を挿した。(敏蔭潤子)

2014/1/18
 

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