第3局で関航太郎天元に勝ち、対局を振り返る一力遼二冠=22日午後、福岡市中央区、大濠公園能楽堂
第3局で関航太郎天元に勝ち、対局を振り返る一力遼二冠=22日午後、福岡市中央区、大濠公園能楽堂

 囲碁の第49期天元戦5番勝負(神戸新聞社主催)の第3局が22日、福岡市中央区の大濠公園能楽堂で打たれ、午後4時26分、挑戦者の一力遼二冠(26)=棋聖、本因坊=が関航太郎天元(21)に135手までで黒番中押し勝ちした。一力は対戦成績を2勝1敗とし、3期ぶりの天元復位まであと1勝に迫った。

 持ち時間各3時間のうち、残りは一力2分、関1分。第4局は12月6日、洲本市のホテルニューアワジで行われる。

 序盤は穏やかな立ち上がり。一力が中央に力を蓄えたのに対し、関は白70(17七)と右辺に侵入。一力は中央の白石を攻め、コウ争いに持ち込んだ。黒93(11六)とコウを解消した一力が中央を制し、関は右辺の黒石を取ったが、形勢は黒優勢に。関は白118(19十四)から右辺で最後の勝負を挑んだが、一力の正確な対応に力尽きた。

 解説の横塚力七段(29)は「白70が分岐点。それまで白が良かったが、中央が黒地になり、大きな差がついた」と話した。立会人の坂口隆三・九段(75)は「黒の実利、白の厚みという流れだったが、白の薄いところを一力二冠がうまく突いた。次局も熱戦を期待したい」と語った。

 一力遼二冠の話 黒5(17十二)は、やってみようと思っていた。黒33(3十七)では44(15十一)もあった。白62(14十七)の局面は中央がまとまりそうなので、自信がなかった。黒93(11六)とコウを解消し、フリカワリになっていけそうかなと思った。最後は運が良かった。

 関航太郎天元の話 白44(15十一)は45(13八)だったかもしれない。昼食休憩の局面の白62(14十七)では悪くはないと思っていたが、白66(8十七)はどうだったか。白78(12八)は良くなかった。黒93(11六)とコウを解消されては大変。中盤に悩ましい手が続き、判断を間違えた。